インタビュー
» 2017年11月02日 07時30分 公開

企業のマーケッターも注目:「モテクリエイター」ゆうこすが語る、好きなことをやり続ける勇気 (1/3)

さまざまなSNSで女性からカリスマ的な支持を得ている、“ゆうこす”こと菅本裕子さん。元アイドル、元ニートという鮮烈な人生を歩み、今では好きなことだけが仕事になっているという彼女の転機とは――。

[萩原愛梨,ITmedia]

 いきなりだが、「モテクリエイター」を名乗る菅本裕子さん(ゆうこす)をご存じだろうか?

 InstagramやTwitter、LINE LIVEなど複数のSNSを駆使したセルフプロデュースによって、現在累計80万人超えのフォロワーを抱える。それぞれのSNSでは、主にコスメやファッションに関する情報が発信され、フォロワーの多くは若い女性。彼女らのカリスマ的な存在だと言える。女性向けのサービスを展開する企業も彼女の影響力に注目しており、最近は企業とのタイアップ企画の配信も増えている。今や女性ファンだけでなく、企業でマーケティングやプロモーションを担当するような男性ビジネスパーソンからも彼女の動向に関心が集まっているのだ。

菅本裕子さん(ゆうこす)。1994年5月20日生まれ、福岡県出身。「モテクリエイター」として活動。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどSNSを駆使した自分プロモーションで、20代女性を中心にファンを広げている 菅本裕子さん(ゆうこす)。1994年5月20日生まれ、福岡県出身。「モテクリエイター」として活動。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどSNSを駆使した自分プロモーションで、20代女性を中心にファンを広げている

 一見、SNSの普及という時流に乗り、影響力を得た成功者のように見えるかもしれないが、実は波乱万丈の過去がある。

 ゆうこすさんは、かつて国民的アイドルグループに所属、加入早々に注目を浴びる期待のメンバーだった。しかし、加入から約1年で脱退。その後、実家に引きこもったり、親からの仕送りだけでニート生活を送った時期もあるという。そうしたどん底を乗り越えて、現在では多くのファンに愛されているゆうこすさん。諦めずに成功をつかむことができたのは、「好きなことをやり続ける」という勇気と信念だった。

知名度があっても応援されていない

 ゆうこすさんのサクセスストーリーは、ある大きな挫折から始まる。

 2011年、ゆうこすさんは福岡・博多を拠点とする国民的アイドルグループHKT48の第1期メンバーとして加入する。当初から期待を集めていた彼女は、加入するなりテレビやラジオの出演が決まり、デビューした年の紅白歌合戦にも出場した。握手会を開催すれば、彼女の前には長い列ができるという華々しい活躍ぶりだった。

あるイベントをきっかけに、本当に応援してくれるファンだけを大切にしようと思った あるイベントをきっかけに、本当に応援してくれるファンだけを大切にしようと思った

 さまざまな事情によって2012年にグループを脱退したが、その後始めたTwitterは、すぐにフォロワー数が4万人を超えた。ゆうこすさんは「そうした恵まれた環境に、自分は何でもできるのだと思い込んでいました」と振り返る。

 しかし、厳しい現実を突きつけられる“事件”が起きる。あるファンイベントを開催したところ、そこに集まったのはたったの3人だったのだ。Twitterのアカウント上では多くのフォロワーがいるはずだったが、実際に彼女に会いにきたファンの数はその1万分の1以下。そこでようやく「知名度があることと応援されることは違う」ことに気付いたのだという。

 これをきっかけに、単にフォロワー数が多いといった知名度ではなく、自分のことを心から好きだと言ってくれるファン1人1人を大切にしようと誓った。それは、誰からも好かれようとして、周囲の声に翻弄(ほんろう)されていた自分からの決別でもあった。当時は、「とにかくモテたい」とすべての人に好かれようとするあまり、アンチのネガティブな指摘も受け入れ、落ち込みつつも、それを直さなくてはと自分を変えようとして、どんどん自分を見失っていった。どうにかして多くの人に受け入れてもらおうとした結果、「面白みのない、空気のような人間になってしまった」とゆうこすさんは吐露する。

 あるとき、ふと立ち止まって考えた。「本当にこのままでいいのだろうか。ネガティブなことを言われて傷つくくらいだったら、好きなことだけをやり続けて、それを応援してくれるファンだけと向き合うべきなのでは」と、新たな自分に生まれ変わる決意をしたのだ。

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