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» 2017年11月07日 12時51分 公開

日本人は“座り過ぎ”:コクヨ、360度揺れる椅子「ing」発売 その仕組みは

コクヨが座面が360度揺れるオフィスチェア「ing」を発売。「座り過ぎ」の日本のビジネスパーソンの働き方を変える。

[青柳美帆子,ITmedia]

 コクヨは11月7日、座面が360度揺れるオフィスチェア「ing」を発売する。コンセプトは「座るを解放する」で、“座り過ぎ”のビジネスパーソンの健康問題の改善や知的創造性の向上が図れるという。初年度の販売目標は15億円。

コクヨの新しいオフィスチェア「ing」

 コクヨによると、日本のビジネスパーソンが座っている時間は1日に420分(7時間)と先進国で最も長く、「働く=座る」になっているという。長時間の着座は肩こりや運動不足などの健康問題につながるだけではなく、身体が動かさないことで知的創造性が落ちるといった影響もあるという。

 働き方改革に注力するコクヨは、これまでもスタンディングデスクや上下昇降する会議デスクなどを発売し、「座らないで働く」という方面から長時間着座問題の解消を図ってきた。しかし「ing」は、「座りながら長時間着座の問題を解決する」という新しい提案だ。

 コクヨの黒田英邦社長は「長時間着座の問題の本質は、ずっと同じ姿勢を取り続けていること。姿勢の固定化が心身への負担につながっている。コクヨは『オフィスチェアに新しいカテゴリーを作りたい』という思いのもと、約3年間かけてingを開発した」と語る。

 ingのポイントは、座面の下に組み込まれたメカニズム。前後左右360度に動き、座っている人の動きや姿勢に合わせて座面を調整する。例えばデスクワークでノートPCを使っていると体は自然に前傾姿勢になるが、その重心の移動に合わせて椅子も傾く――という仕組み。アイデアを椅子を揺らしながら考えたり、積極的に腰を動かしてリフレッシュするといった使い方もできる。

座面が360度動く
前傾姿勢になると自然に椅子が傾く

 開発を担当したコクヨの木下洋二郎さんは「今までの椅子は、姿勢を安定化させるものだが、ingは姿勢を活性化させるもの。安定したバランスボールの上に座っているような感覚や、椅子と1つになったような感覚を与える」と説明する。コクヨの調査では、ingに座ることで、肩や腰の筋肉が活発に動き、4時間で約1.5キロ分歩いているのと同じような運動効果があり、有効なビジネスアイデアの発想数も15%向上したという。

 実際に座ってみると、座面の移動は想像以上にスムーズ。ちょっとした重心移動に椅子がついてくる感覚がある。特に前傾姿勢は意識せずとも自然に座面が傾いていて、PC作業の身体への負荷が減りそうだと感じた。腰を大きく動かす椅子を使ったリフレッシュなどは心理的に少しハードルの高さを感じたが、社全体で導入できればそうした動きが一般的になるかもしれない。

 ingを活用した働き方改革の実験として、東京・渋谷で11月7〜15日に開催するイベント「DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA(DDSS)」に協賛し、サテライト会場のコインスペースに導入する。また、渋谷ヒカリエでコクヨが展開するコワーキングスペース「MOV」のほか、JINS運営のコワーキングスペースにもingを導入し、ビジネスパーソンに向けて「座りながら働き方改革」の選択肢を提示する。

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