玉川社長は「ソラコムの強みは、安価なSIMカードを素早く顧客に届けられる点。IoTの発展に伴って『今すぐサービスを作りたい』という企業が増えたが、こうしたニーズと合致したことが短期間で多くの顧客を獲得できた要因だ」と説明する。
ソラコムの主力サービスは、ユーザーが1日当たり10円からの従量課金制でSIMカードを利用できる「SORACOM Air」。導入コストが安いほか、通信速度の変更や通信の休止・再開・監視をブラウザ上の管理画面で行える点が特徴だ。
安価なサービスを提供できる理由は、パケット交換、決済、顧客管理、帯域制御――など、通常はデータセンター内の実機が担う作業をクラウド上のソフトウェアに代替させることで、設備投資額を削減しているためだ。
玉川社長は「データセンターを持たなくても、さまざまな通信サービスを提供できる点がソラコム最大の強み。サービス開始時は『うそではないか』と疑われたが、本当に実現している」と自信を見せる。「ソラコムのエンジニアの技術力の高さが、こうしたビジネスを可能にした」という。
顧客に合わせてオーダーメイドのサービスを提供できる点も、高い支持を得ている理由だという。
スマートフォンとつながるIoT自販機「Smile STAND」を展開するダイドードリンコには、膨大なデータをクラウドに転送するシステムをソラコムが代わりに開発する「SORACOM Funnel」と呼ぶサービスを提供。転送システムを自社開発する手間を解消している。
東急プラザのキャンペーン端末と会員システムを安全につなぎたいという東急グループには、データを閉域網で送受信できる「SORACOM Canal」というサービスを提供している。
「当社のサービスは開発を楽にできるだけでなく、セキュリティ面も担保している。こうした点がIoT導入を不安に感じる企業のニーズともマッチし、顧客増につながったと考えている」
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