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» 2017年11月28日 12時06分 公開

インタビュー:店舗ネットワークは維持、リテール顧客層拡大=りそな社長

りそなホールディングスの東和浩社長は、リテール業務を展開していく上で中長期的に店舗ネットワークは維持し、短期的には相談業務に特化した小型店舗を30店舗増やしていく方針を示した。

[ロイター]
photo 11月28日、りそなホールディングスの東和浩社長がロイターのインタビューに応じた。写真は都内で2006年11月撮影(2017年 ロイター/Toshiyuki Aizawa)

[東京 28日 ロイター] - りそなホールディングス<8308.T>の東和浩社長は、ロイターとのインタビューで、リテール業務を展開していく上で中長期的に店舗ネットワークは維持し、短期的には相談業務に特化した小型店舗を30店舗増やしていく方針を示した。

リアルの店舗とネット戦略で、リテールの顧客基盤の拡大を図る。

みずほフィンナンシャルグループ<8411.T>など、大手銀行グループは国内業務の不振から店舗網削減に踏み切るところも出てきたが、東社長は「店舗ネットワークは維持していく。拠点の削減は粗利の減少につながる」と語った。

書類での手続きを廃止するなどでコストを減らす一方で、スマートフォン活用などによる顧客利便性の向上も図り、リテール分野での地位確保を目指す。

東社長は「バンキング業務にこだわり過ぎると、自由な発想ができない。発想の転換を促さないといけない。銀行をやめるくらいの発想でいかないと、明るい未来にはたどりつかない」と語り、既存の銀行ビジネスからの転換の必要性を強調した。

――りそなにとっての構造改革とは。他行は店舗削減も打ち出している。

「我々は、改革を継続すると言ってきており、日々構造改革だと思ってずっとやってきている。環境が厳しいのは、今に始まったことでない。事務量の半減は中計にも出している。店舗削減を打ち出すと、今は株主にはプラスで一瞬は株価が上がる。しかし、金融危機を通して感じてるのは、拠点の削減は当然粗利の減少につながる。バランスが難しい」

「店舗のネットワークは維持する。ただ、足元では相談業務に特化した小型店舗を30店ほど増やす。面積を縮小させ、人員が少なくてもサービスは提供できる。日本社会では、みんな同じ動きにならないと心配というところがあるが、他と同じことやってるからダメになる。そこが面白い。株価をみていても銀行は同じような動きになっており、より強く個性を出すには、どうしたらいいのかを考えている」

――リアルとネットの融合を進めている。

「現在、りそなに口座を持っている顧客は1300万人。しかし、100万人にしか会えていない。これを2022年度までに300万人に増やしたい。今、店舗に来る顧客はほとんどは手続きのためだ。しかし、手続きだけでは付加価値がない。いかに相談に来てもらえるようにするのかが重要だ。手続きは、スマートフォンで済ませてもらえるようにする」

「例えば、住宅ローンの顧客は実際に店で相談がしたい。あるいは相続も相談が必要だ。意思決定してもらうためには、フェイス・ツー・フェイスが必要になる。コストの安いネットバンクの顧客層は、金融リテラシーの高い一部の人達だけだ。資産運用も、税制や仕組みなど、文字情報だけで理解できる人はそんなに多くない。ネットは効率性が高いと言われているが、成約率はそんなに高くないと思う」

――預金に対して貸出の比率が低い。

「貸出金の伸びは低くないが、それ以上に預金が伸びている。ただ、もはや預貸金業務では銀行は儲けられない。銀行が預金で儲ける時代は終わった。預金は手数料ビジネスのネタだ。今後は、預金をいかに収益化していくのが課題だ。個人顧客だけでなく法人顧客も同じで、貸出を返済して預金超過になってる中小企業も多い。そういう預金先に行って運用の提案をする時代になってる」

――銀行業にはもはや未来はないのか。

「バンキング業務にこだわり過ぎると、自由な発想ができない。銀行は安定してるとか、公務員と勘違いしている人もいる。発想の転換を促さないといけない。銀行をやめるくらいの発想でいかないと明るい未来にはたどりつかない。1番の問題は、人間だと思う。システムは開発できるが、人の意識や社員の意識変革がきちんとできるか。あとは、働きやすい環境を作っていかないといけない」

(布施太郎 編集:田巻一彦)

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