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» 2017年12月13日 06時00分 公開

厳格化で明暗:「スイスメイド」表記の新ルール、時計業界に激震 (1/3)

もしあなたが、スイスですべて製造されたものだと信じて「スイスメイド」の時計を買うなら、それは間違っているかもしれない。

[ロイター]
photo 12月6日、もしあなたが、スイスですべて製造されたものだと信じて「スイスメイド」の時計を買うなら、それは間違っているかもしれない。写真はスイスメイドの刻印がある時計。スイスのブルンネンで3月撮影(2017年 ロイター/Denis Balibouse)

[チューリヒ 6日 ロイター] - もしあなたが、スイスですべて製造されたものだと信じて「スイスメイド」の時計を買うなら、それは間違っているかもしれない。

文字盤やサファイアガラス、ケースなどの部品製造会社が中国やタイ、モーリシャスで急増しており、こうした部品が「スイスメイド(スイス製)」と記された時計の多くに組み込まれている。

文字盤に書かれた「スイスメイド」の表記に高額のプレミアムを払う消費者のため、より厳格なルールが今年導入された。

製造コストの6割に当たる部分がスイスで行われたことが、「スイスメイド」と表記するための新たな条件の柱だ。これまでは、時計の駆動部分であるムーブメントの5割以上がスイス製であれば足りたが、その条件が引き上げられた。

新たなルール導入の目的は、スイス製ブランドに対する消費者の信頼を高め、時計業界をアジア勢の攻勢から守ることだ。

だが、ルール変更により、手ごろな価格帯のスイス時計メーカーは、コスト削減によって不況を乗り切ることが困難になった。一方で、高級時計メーカーにとっては、利益率を守るため、部品供給の大部分をアジアに移転する抜け道が残されている。

「スイスメイド規制が強化されてから、注文は増えるどころか減っている。顧客のなかには、部品の半分を中国で製造して価格を下げるよう要請してきたところもある」と、時計産業の盛んなル・ロックルを拠点とする文字盤メーカー「メタレム」のアラン・マリエッタ氏は語る。

マリエッタ氏は、顧客を失うことを恐れつつも、自身の原則を守っていると言う。「スイスで製造した本物のスイスメイドを提供したい。さもなくば、ここの時計産業で働く人にとって、緩慢な死を意味するだろう」

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