またしても毒舌炎上 張本勲氏とイチローの「本当の関係」赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2017年12月14日 12時00分 公開
[臼北信行ITmedia]
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張本氏の口にチャックをしてもらう

 この2試合を生観戦した張本氏は周囲に対して「満塁ホームランというとてつもなくインパクトのある内容で記録に並び、私がアメリカに滞在した間のたった2試合で本当に記録を塗り替えてしまった。とんでもない男だ」と語りながら珍しく目を白黒させ、とても驚いていたという。

 「張本さんはイチローを認めていますよ。今の野球選手はほぼ大半が張本さんの存在感を煙たがってすぐ距離を置こうとするが、常に堂々としているイチローは面倒くさがることなく自然体で接していた。文句なしの実力と気持ちの強さ、堂々とした心の持ち主であってバランス感覚にも優れているイチローは張本さんにとって一種の『カルチャーショック』だったようです。

 だから今、張本さんがいろいろな問題発言を繰り返してもすべては単なる強がりでつまらない意地みたいなもの。それから張本さんは自分が暴言を吐けば、数字(視聴率)が稼げると思って、あえて『ヒール』を演じている部分もあると思います。でも内心で張本さんはイチローについて“もうとっくのとうに自分の域を超えているレジェンドプレーヤー”と思い込んで負けを認めていますよ。

 大勢の前では絶対に口にしないですが、実際にウラでは『ああいう骨のある男がこの時代、日本球界に出てきてくれてよかった』とも言っていますしね」(張本氏周辺のプロ野球OB)

 何かと口うるさい張本氏からも毒舌とは裏腹に一目置かれているイチローはやはり特別な存在だ。「戻ってほしくない」と言われるまでもなく、本人も日本球界復帰はまったく考えていないだろう。去就決定は年明けとなる公算は強いが、やはりメジャーリーグでプロ27年目のシーズンを迎え、もう一花咲かせてほしい。そして45歳となる来年も常識を覆す活躍で、うるさい張本氏の口にチャックをしてもらうことを強く望む。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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