履歴書は定型フォームを使うべき? 写真は貼るべき?有利なのは(2/3 ページ)

» 2017年12月18日 07時54分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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(2)自由形フォームの問題

 自由形フォームは、「自由」であるがゆえに非常に見づらいことが多いのです。その履歴書単体としては、よくできたアピールではあるかもしれませんが、普通は候補が1人ということはないため、複数候補から絞って選んでいきます。そんな時に「履歴」が学歴順か職歴順か、和暦か西暦か、学歴・職歴の空白など、統一表記でないものは非常に比較しづらいのです。

 情報が判別しにくかったらどうなるでしょう? 繰り返しますが、絶対欲しいというヘッドハント人材でもない限り、「選びづらい」ということはそれだけで不利になります。選考する人の都合も考えない自由なアピールは、私は単なる独りよがりだと思います。

 面白みのない定型フォームは、少なくとも選考する側にとって、比較対象が容易で、知りたい情報にすぐアクセスできるというのが最大のメリットです。また私個人では、そもそも履歴書は個性やアピールを発揮する場ではないという考えです。

(3)職務経歴書との関係

 個性や自己アピールが不要と言っているのではありません。転職では必ず履歴書と並んで職務経歴書が必要になります。これまた新卒では書きようがありませんので転職の中途採用限定ですが、その職務経歴書こそは自由な形式で工夫が可能です。

 中には職歴が多かったり、一度社会に出てから大学院に留学した私などもけっこう学歴欄の行数が必要だったりします。(外国の大学だと大学名や研究科名、学位名が長い)こんなオリジナル対応にも、職務経歴書は適しています。私は自分の担当事業やプロダクト、サービスの成果をグラフにしたり図にしたりしてアピールする場合も、こうした自由フォームを活用しました。

 履歴書の目的は正確な履歴情報を伝えることにありますから、職務経歴書と明確にその使途を分けて作成する必要があります。逆に職務経歴書は表層的な所属企業名や部課名ではなく、どこでどんな仕事を、どのように展開したのかという具体的な情報を説明するものですから、事業内容によっても説明の仕方や情報は異なるのが当然で、自由書式の優位点に合致します。

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