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» 2017年12月21日 06時00分 公開

センサーづくりはレシピ重要:ソニー復活支えるイメージセンサー、スマホ依存に課題も (1/3)

上半期に20年ぶりに過去最高の営業利益を達成したソニー。復活劇を支えるゲームと半導体事業のなかで、注目を集めるのが半導体部門の8割を稼ぎ出すイメージセンサーだ。

[ロイター]
photo 12月20日、上半期に20年ぶりに過去最高の営業利益を達成したソニー。その目覚ましい復活劇を支えるゲームと半導体事業のなかで、とりわけ注目を集めているのが半導体部門の8割を稼ぎ出すイメージセンサーだ。写真はソニーセミコンダクタソリューションズの清水照士社長、11月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 20日 ロイター] - 上半期に20年ぶりに過去最高の営業利益を達成したソニー<6758.T>。その目覚ましい復活劇を支えるゲームと半導体事業のなかで、とりわけ注目を集めているのが半導体部門の8割を稼ぎ出すイメージセンサーだ。しかし、その収益はいまだスマートフォン依存から抜け出せていない。陰りが見えるスマホ市場に代わる新たな成長分野をどう広げるか。復活ソニーの先行きを占うセンサー事業は、大きなチャレンジに直面している。

<裏面照射で業界トップに>

イメージセンサーの世界市場で、ソニーは圧倒的なシェアを誇っている。IHSマークイットの調べによると、2016年の市場規模は約98億ドル(約1.1兆円)。このうちソニーは45%のシェアを持ち、続く韓国のサムスン電子<005930.KS>が21%、オムニビジョン・テクノロジーズは12%にとどまっている。

ソニーの優位性を決定づけたのは、裏面照射型CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサーの開発に成功したことだ。「経験者が多かったら、尻込みしていたかもしれない」――。ソニーセミコンダクタソリューションズ最高技術責任者(CTO)の平山照峰氏は、成功の背景をこう振り返った。

ソニーがイメージセンサー事業に乗り出したのは1970年。当時、ソニー副社長で中央研究所の所長だった岩間和夫氏(後にソニー社長)がソニーの屋台骨を支える技術になると確信してCCD(電荷結合素子)の開発に着手したのが始まりだ。

イメージセンサーは、カメラなどのレンズに入った光を電気信号に変える電子部品で、いわば「電子の眼」とも言える。ソニーは80年に世界で初めてCCDカラーカメラの製品化に成功。以降、同社のCCDは市場をけん引する存在となっていった。

そのCCDに転機が訪れたのは2004年。「CMOSがCCDの性能を上回るめどが立ち、これからはCMOSだと社内が一気に変わっていった」(ソニーセミコンダクタソリューションズ社長の清水照士氏)。その2年前にわずか十数人で産声を上げた開発部隊は「CMOSセンサーナンバーワンプロジェクト」の大号令のもと、5年間で200人近くまで拡大していった。

そうした中で生まれたのが、08年に開発した裏面照射型CMOSセンサーだった。光の入射の邪魔になっていた配線と基板の位置を反転。シリコン基板の裏側から光を照射することで、高感度を実現した。

「イメージセンサーを良く知っている人ほど、裏面照射はノイズが出てものにならないと思っていた」(平山氏)。

実は立ち上げ当初の開発部隊は社内からの寄せ集めで、経験者は1人しかいなかった。後発組で挑戦しやすい環境にあったことに加え、経験者が少なく物おじしなかったことが成功につながった。

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