大きな利益を生み出す事業でなくとも、社会性の高い事業を支援したい。それを実現するために、竹井氏がMAKOTOで実践している投資法が、売り上げ連動型出資「シェアファンド」である。
シェアファンドとは、売り上げと連動して出資者に配当を行う仕組み。融資のように返済義務もなく、無担保無保証で資金を調達できるので、企業はリスクを背負うことなく事業を展開することができる。また、株式を手放さなくて済むことも大きなメリットの1つだ。
「株式による資金調達の場合、株主に会社の決議権を渡すことになりますし、株の価値を高めるために成長し続けるようプレッシャーをかけられます。シェアファンドであれば、経営者の方針を尊重した支援ができます」
「VCはハイリスクハイリターン。一方、金融機関の融資はローリスクローリターン。この中間にある“ミドルリスクミドルリターン”の市場こそ大きいのですが、それを支援する仕組みが日本にはありませんでした」
この投資手法を使い、竹井氏はさまざまな企業に出資をしてきた。投資先第1号となったのは、東北大学発のベンチャー企業、TESS。機械で足を動かすことでリハビリ機能を持たせた車いす「COGY」(通称、諦めない人の車いす)を開発している。MAKOTOが出資をしたことで、販売力を強化。その後、大手企業が販売代理店に名乗りを挙げるなど、事業の拡大に寄与している。
他には、障害者を雇用して宅食事業などを展開する愛さんさんビレッジに出資。もともと従業員は1人だけだったが、出資を受けたことで人材投資が可能になり、従業員は約2年で100人も増えたという。
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