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» 2018年01月16日 15時16分 公開

ビールは1986年並みの水準:昨年のビール類出荷は過去最低更新、新ジャンルでアサヒが首位

ビール各社が発表した2017年のビール系飲料(ビール・発泡酒・新ジャンル)の課税出荷数量は前年比2.6%減だった。

[ロイター]
photo 1月16日、ビール大手5社が発表した2017年のビール系飲料(ビール・発泡酒・新ジャンル)の課税出荷数量は前年比2.6%減となった。写真は大阪で昨年10月撮影(2018年 ロイター/Thomas White)

[東京 16日 ロイター] - ビール各社が16日に発表した2017年のビール系飲料(ビール・発泡酒・新ジャンル)の課税出荷数量は前年比2.6%減となった。ビール類の出荷量は1986年並みの水準へと切り下がった。少子高齢化に加え、過度な安売り抑制による店頭価格の値上がり、天候不順、缶チューハイなどのRTD(Ready To Drink)やワインなど他のアルコールへの需要の拡散などが要因。

市場は13年連続のマイナスで、現行統計が始まった1992年以降の過去最低を更新した。17年の酒類別の出荷量は、ビールが前年比2.9%減、発泡酒が同4.0%減、新ジャンルが同1.5%減と、全カテゴリーで前年を割り込んだ。3カテゴリー全てがマイナスとなったのは2年連続。

各社のシェアは、アサヒが39.1%(前年は39.0%)で8年連続のシェアトップとなった。キリンは31.8%(同32.4%)、サントリーは16.0%(同15.7%)、サッポロは12.1%(同12.0%)で、キリンだけがシェアを落とした。

大手4社の商品が出そろった2005年以降、新ジャンルではキリンが年間シェアトップを守ってきたが、2017年はアサヒがキリンを逆転した。アサヒは「贅沢ゼロ」など「クリアアサヒ」ブランドが伸長したのに対し、キリンは、1月から先陣を切って導入した新ガイドラインにより、店頭価格が他社に比べて高くなり、値頃感が売りの新ジャンルの販売を直撃した。

外食から家庭内へとビール類の飲用シーンがシフト。そんな「家飲み」の受け皿となっているのが新ジャンルだ。キリンビールの布施孝之社長は「消費マインドは上向きになっていない。節約志向は依然として強い」とし、新ジャンルのニーズは依然として高いとみる。3月には、最高品質を目指した新商品「本麒麟」を発売し、巻き返しを図る。

サントリービールは、主力の「金麦」と併せ、昨年発売した高アルコールの新ジャンル「頂」の伸長を図る。サッポロビールは、発売10年目となる「麦とホップ」を3月にリニューアルして、1000万ケースの販売を狙う。

<2018年、定義変更がビールの起爆剤になるか>

今年4月から、ビールの定義が変更され、使用できる副原料の範囲が広がる。クラフトビール大手のヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)が出している「水曜日のネコ」。売り場では他のクラフトビールと並んで売られているものの、副原料にオレンジピールやコリアンダーシードを使っているため、ビールと同じ酒税がかかっているにもかかわらず、発泡酒と表記している商品だ。4月からのビールの定義変更によって、こうした商品も「ビール」と表記することができるようになる。

大手を含めて、ユニークな新商品が予想され、「市場が厳しい中で活性化の一助になる」(サントリービールの山田賢治社長)、「大きなチャンス、プラスととらえている」(アサヒビールの平野伸一社長)と期待する声は多い。

アサヒビールは、レモングラスを副原料に使い、需要が広がっている高アルコールの新商品「グランマイルド」の4月発売を発表したほか、キリンビールは、大手ビールとては先行しているクラフトビールとして、4月に新しい副原料使用などに対応した商品を出す予定だ。サントリービールも「具体的な商品開発を含めて検討中」(山田社長)、サッポロビールは4月の発売は予定していないものの、クラフトビール事業である「ジャパンプレミアムブリュー」の中で展開することを検討している。

(清水律子)

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