海外で「児童婚」が問題に、日本はどうする?世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)

» 2018年01月18日 07時30分 公開
[山田敏弘ITmedia]

日本は児童婚を許していることに

 児童婚に反対活動をする米団体アンチェインド・アット・ラストは、児童婚が米国では驚くべき率で起きていると指摘する。「裁判所の許可」などの条件さえあれば、全米すべての50州で18歳未満の結婚が許される。同団体の調べによると「25の州では、最低結婚年齢を定めてもいない」という。

 00年から10年の間、米国で確認された児童婚をした未成年者の数は、24万8000人に上る。ほとんどは少女が成人男性と結婚しており、14歳で結婚していたのは1000件近くいて、10歳で結婚していたケースも10件ほどあった。例えば米ニュージャージー州では、1995年から105人の男性が、13歳から15歳の少女と結婚しているらしい。アンチェインド・アット・ラストには、強制的に児童婚させられた人たちから助けを求める声が届いているという。

 米国で児童婚が行われているのは宗教保守が多い地域や貧困地域などだと見る向きもあるが、実際は社会の幅広い層で見られると、英エコノミスト誌は指摘している。

 そんな状況を変えるべく、法整備を進めている州もある。既出のフロリダ州だけでなく、マサチューセッツ州、ペンシルベニア州も法案を議論している。ただまだ反対している州もあり、ニュージャージー州やメリーランド州では提出された法案が棄却されている。またニューヨーク州は17年6月に結婚可能年齢を14歳から18歳に引き上げているが、現在も17歳以上で裁判所と保護者の許可さえあれば結婚は可能だ。

 ここまで読んで、「おや」っと思った人もいるかもしれない。結婚可能の年齢がちょっと高くないかと。というのも、日本の結婚年齢は男性が18歳で、女性が16歳だからだ。世界的な流れで言えば、日本は児童婚を許していることになる。

日本の結婚年齢が問題になるかもしれない

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