コラム
» 2018年01月18日 06時00分 公開

商流が変わるのは当然:紙の書籍は、このまま存在することができるのか (1/3)

先日発表された、日販による『出版物販売額の実態』によれば、出版物の売り上げの低下が止まらないようだ。ここ20年間で約半減。業界としてはひん死の状態だ。

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著者プロフィール:猪口真(いのぐち・まこと)

株式会社パトス代表取締役。


 先日発表された、日販による『出版物販売額の実態』によれば、出版物の売り上げの低下が止まらないようだ。ここ20年間で約半減。業界としてはひん死の状態だ。

 原因としてよく言われるのは、電子書籍と中古市場だが、インプレス総合研究所調査によれば直近2016年度(2016年4月1日から2017年3月31日まで)の日本国内における電子出版市場は2278億円。中古市場に至っては、781億とこちらも減少傾向。出版というカテゴリーをカバーするほどの市場規模ではないと言えるだろう。

 米国の場合はどうかというと、13年の段階で、書籍全体の市場規模は、約270億ドル(日本円で約3兆円)。ここ10年程度は減少傾向ではあるものの、横ばいといった状況だ。

 米国といえば、オーディオブック市場が1600億円程度あると言われているが、日本はまだ50億程度、シェアと呼べるほどの数字ではない。

 書籍をとりまくメディア、流通ルートをすべてあわせてもマイナスということは、書籍というプロダクトそのものが力を失っているということか。

 ただし、米国との比較でいえば、日本との人口比率を考えると日本人の本好きがよく分かる。ピーク時はほぼ同等の市場規模だったということだ。日本でこのまま市場が衰退してしまうと困る人がたくさんいるのだ。

 経済産業省商務情報政策局 経済産業省商務情報政策局 文化情報関連産業課「出版産業の現状と課題」から引用すると、これまでの紙の書籍は、以下のような流れで、作家からの作品が、消費者まで届く流れになっている。

経済産業省商務情報政策局 経済産業省商務情報政策局 文化情報関連産業課「出版産業の現状と課題」から引用
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