なぜ女子中高生は「韓国カルチャー」にハマったのかスピン経済の歩き方(5/5 ページ)

» 2018年01月23日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]
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日本の女子中高生が刈り取られている

 K-POPを国策として世界に売り出したように、かの国では、韓国というコンテンツを政・官・民が一体となって売り出す。そういう死に物狂いのマーケティングに、まんまと日本の女子中高生が刈り取られているということではないのか。

 椎木さんのように日本人の多くは、「素直な人がみれば、質のいいものは受けいれられる」と考える。だから、「日本」というブランドを世界に売り込もうという際にも基本的なスタンスは「待ち」となる。日本好きの外国人がやって来て「カワイイ!」とか「クール!」と褒めてくれて、はじめて国策として重い腰をあげる。

 しかし、韓国はそういう気の長いことはしない。相手にウケそうな要素があれば貪欲に吸収して、ハングリー精神丸出しで売り込みをかける。

 女子中高生に韓流がキテる。そんなのはデマだから信じるなと耳をふさいでしまうのは簡単だし、心地いい。だが、「日本カルチャー」というソフトをいかに世界に売り出していくか、ということが課題とされている今、彼らのなりふりかまわぬ「文化輸出」から学ぶこともあるのではないか。

窪田順生氏のプロフィール:

 テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。

 近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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