土肥: 海商は浜松中央卸市場で仲卸をしているんですよね。マグロ、ハマチ、貝などを扱っている仲卸業者が、なぜ晩酌用のイセエビを発売することになったのでしょうか。パッケージはプラモデルをイメージしたレトロなデザインになっていて、ふたを開けると、イセエビの刺身(39グラム)、頭部と胴体の殻、おちょこ1個が入っている。殻が入っているので、自分で組みたてなければいけません。「ちょっと変わった商品だなあ」と思うのですが、それだけではありません。
ネットで注文をすると、メールが届きますよね。「新入隊員に告ぐ。大根を用意し、訓練用物資到着に備えよ。………通信終わり。」と書かれている。まだあります。晩酌用イセエビは袋に入って届くわけですが、その袋にも「KAISHO-GCFS 部隊 訓練用物資」といったシールが貼られている。まだまだありますよね。開発の経緯がこのように書かれている。
『KAISHO開発チームは、単独任務を主とする傭兵向けに対ひとり晩酌訓練用イセエビキットの頒布を開始した――。
赤褐色の甲殻防御障壁と硬い殻に覆われた2対の索敵用触角により、高い防御性を持つイセエビはマーケットにて高値で取引されている。よって、民間人居住区域では入手ルートが僅少である。しかし、我らKAISHO-GCFS部隊はイセエビと対峙した際、怯むことなく安全にかつ美しく処理する能力が求められる。
対ひとり晩酌訓練用イセエビは、二対の触角を外したフィリピン産イセエビを使用することにより、より多くの傭兵にローコストでの頒布を可能とした。開発チームからは“ひげ無し”の愛称で呼ばれている。
「各兵士に告ぐ、イセエビ攻略を成功させよ!」』
自宅用のイセエビなので、通常であれば「箱に商品を詰めて、送って終わり」ですよね。それなのに、なぜ戦隊モノっぽい世界観を表現しているのでしょうか?
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