韓国の米国大使がいつまでも就任しない理由とは世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)

» 2018年01月25日 07時37分 公開
[山田敏弘ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

朝鮮半島情勢をややこしくしないことを望む

 チャ氏とトランプのタカ派路線が、どんな“化学反応”を起こすのか――。韓国ならずとも気になるところだろう。

 1年を経過したトランプ政権。政策うんぬんよりも、まずポジションを埋めることができるよう、政権を機能させる必要がありそうだ。トランプ大統領は、「政権は世界で最も安定・機能しており、全ては計算通りだ」などとうそぶきそうだが、現実は機能不全、人材不足、人材流出で政権運営がスムーズではない。

 これまでこの連載でも何度も指摘してきた通り、米朝が開戦する可能性はかなり低い(関連記事)。それでも、開戦をチラつかせながら暴言を吐き続けるトランプと、それに応える金正恩委員長の「プロレス」の間に立たされる韓国は油断できないだろう。これから就任するかもしれない駐韓米大使が、余計に朝鮮半島情勢をややこしくしないことを望む。

筆者プロフィール:

山田敏弘

 元MITフェロー、ジャーナリスト・ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。

 国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。最近はテレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。


前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.