新商品は、既存のフレーバー入りダイエットコークと比べて、より香料が際立った力強い味わいになっている。しかし、肝心のダイエットコークの味そのものは、レシピを変更していないという。つまり、これまでと同じように、砂糖ではなく人工甘味料の使用を継続するということだ。
ただその「継続」がまさにブランド最大の壁になっている。人工甘味料を変えて、レシピを変更したくても、根強いファンを失望させるリスクがあるから踏み出せない。
過去には、米PepsiCoの「ダイエットペプシ」が同じような壁に立ち向かったことがある。ダイエットペプシは、15年に健康志向の高まりから、人工甘味料の種類を別のものに変更した。そうしたところ、消費者からクレームが殺到し、売り上げが急激に落ち込んだことがあった。そして、翌年にダイエットペプシは元のレシピに戻された。
既存の顧客を失わないための決定打とはいえ、新しい顧客を引きつけるには、体に良くないイメージのある人工甘味料を使用し続けることはネックになる。特に、食の安全性をことさら気にする米国の若い世代にとっては、非常にマイナスな要素となる。加えて、時代はいま「ナチュラル」志向になっているため、世の中的に人工甘味料がそもそも「論外」になっているのだ。
そこで、苦肉の策として、4つの新しいフレーバーを投入することにし、なんとか若い世代の興味を引こうとしている。ダイエットコークのレシピを変えずに、新しさを出すにはフレーバーで冒険してアピールするしかないのだろうが、うまく人々の味覚に刺さるかは微妙だ。
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