卓球王者の張本が、いまひとつ支持を得られない要因赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)

» 2018年01月27日 07時40分 公開
[臼北信行ITmedia]

張本氏の“口撃”が称賛される

 1月21日に放映された『サンデーモーニング』(TBS)の「週間御意見番」でお馴染みの野球評論家・張本勲氏が、この14歳の天才卓球少年に苦言を呈したのである。

 番組で張本が全日本選手権の準々決勝で4強入りを決めた際に、両ひざをつきながらエビ反りし「ドゥオオオ〜ッ!」と絶叫する「ハリバウアー」のシーンを放送。これに張本氏が苦笑いしながら「子どもだからね。ワァーワァー騒いでもいいけど、成人だったら『喝』やるんだけどね」と口にし、さらに「ああいう子は気が小さいんですよ。感情を抑えきれない。ワァーッと出しちゃう。本当に根性のある人はああいう態度は取らない。男は」と持論を展開した。

 これまで張本氏が同番組で発言するたびにネット上は炎上していたが、今回ばかりは「珍しく正論を言っている」「その通りで絶叫するのは気が小さい証拠」などと同調する書き込みが数多く散見された。しかしながら日本王者になった張本が「気が小さい」とは思えない。彼は気持ちを鼓舞させるために絶叫していると聞く。

 加えて言えば「大声で叫ぶ」「相手を威嚇(いかく)する」「観客に不快感を与える」などの行為は卓球のルール上で禁止行為とされているが、これまでの大会で張本が「チョレイ」や「ハリバウアー」で審判から注意を受けたことは1度もない。今のところ、ルールに抵触しているわけではないのだ。

 複数のメディアでも報じられている通り、日本卓球協会も張本の行為自体に問題はなく、他にも自分を鼓舞するための声出しをやっている選手はいるとの見解を示している。

 ただし、すでにトップクラスの張本がこれからシニアの舞台でどんどん場数を踏み、世界の強豪としてその名を今以上に轟(とどろ)かせるようになれば、何とかして足を引っ張りたい対戦相手側からトレードマークの絶叫に何らかの形でクレームが入れられるようになるかもしれない。とはいえ、これはあくまでも仮定の話だから本人的にはそこまでナーバスになる必要もないだろう。

 それに張本は毎回必ず絶叫しているわけではない。いまだに出場しているジュニアの大会などではトレードマークの「チョレイ」や「ハリバウアー」を封印して試合に臨むときもあるので、“普通”に戦っても彼は強いのである。派手なパフォーマンスをするのは、大事な試合のときだけなのだ。

14歳の張本はいつも派手なパフォーマンスを見せているわけではない

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