小型ロケットでRocket Labが快挙 商業化加速宇宙ビジネスの新潮流(2/3 ページ)

» 2018年01月27日 08時30分 公開

商業打ち上げサービス、始まるか?

 また、今回の試験打ち上げでは、これまで同社が開発を明らかにしていなかった「キックステージ」と呼ばれる衛星の投入軌道を調整する機器の試験も同時に行われて、Spire Globalの衛星の軌道投入に活用された。これまでは主要ペイロードに軌道が左右されていたライドシェア顧客(相乗りで衛星を打ち上げ顧客)にとって意味があるであろう。

「Rocket Lab Launch Complex 1」(出典:Rocket Lab) 「Rocket Lab Launch Complex 1」(出典:Rocket Lab

 既に同社では今回の試験打ち上げを活用したPlanet、Spire以外にもNASA(米航空宇宙局)、月面無人探査を目指すMoon Expressなど多様な企業と商業打ち上げ契約を結んでいる。今回の試験打ち上げ前にベックCEOは「2回目の試験打ち上げが成功した後には商業サービスに移行できるであろう」と言っていた。

 筆者も欧米の宇宙カンファレンスで小型衛星ベンチャーの方々と話す機会があるが、組織の中には世界中で自社の衛星を打ち上げる機会を探し、自社の事業計画と照らし合わせて打ち上げ枠を確保するための専任者がいる企業も多い。それくらい打ち上げ機会の確保は重要な経営課題だ。

 しかしながら、まだまだ打ち上げ機会が不足している。従来の大型ロケットへの相乗りや国際宇宙ステーションからの放出に加えて、小型ロケットによる打ち上げに対する期待は引き続き高く、今回のRocket Labの成功はそうした衛星ベンチャー企業にとっても朗報であろう。

1月21日、Rocket Labが試験打ち上げに成功

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