2017年のアプリパブリッシャー、トップ3は中韓が独占 日本企業の上位は?“新顔”任天堂、「FGO」大ヒットのSONYも

» 2018年01月30日 11時25分 公開
[ITmedia]

 スマートフォンアプリ市場データを提供するApp Annieは1月30日、2017年のスマホアプリのパブリッシャーランキングを発表した。急速に成長している市場を背景に中国・韓国企業が伸びる中、大型IP(知的財産)を武器に日本企業も健闘した。

 パブリッシャーランキング(iOS、Google Play、その他プラットフォームでの収益合計)のトップ3は、Tencent(中国)、NetEase(中国)、Netmarble(韓国)。ランキング開始以来初めてアジア企業がトップ3を独占した。日本企業はmixi(6位)、バンダイナムコ(7位)、SONY(8位)、LINE(10位)――と続く。

パブリッシャートップ10

 トップ52の内訳は、米国16社、日本15社、中国11社、韓国4社、その他の国6社。日本企業は昨年より2社減っている。成熟した日本市場に対し、中国市場はまだまだ成長を続けており、中国企業は今後さらなる伸びが期待されそうだ。

11〜40位(赤枠は編集部加工)

 国内企業に目を向けてみよう。老舗ながら“新顔”となったのは任天堂(34位)。任天堂は16年から、人気IP(知的財産)のスマホゲーム展開を進めている。「Super Mario Run」「ファイアーエムブレム ヒーローズ」「どうぶつの森 ポケットキャンプ」などの大型IP新作が続々とリリースされ話題になった。収益を伸ばした要因は主に「ファイアーエムブレム ヒーローズ」と見られるが、他タイトルもDL数が好調で、スマホでも存在感のある企業になりつつある。

 着実に伸びているのがSONYだ。前年14位から一気に8位まで上がった大きな理由は、App Annieによるとゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」。「FGO」は国内・海外展開ともに好調で、世界の売り上げランキングで2カ月連続で1位になっている。「コアユーザーが課金をしているというイメージがあるタイトルだが、実際は新規ユーザーが積みあがっている」(App Annie)という。

 前年と同じく7位に付いたのはバンダイナムコエンターテインメント。数多くのIPタイトルをリリースしているが、中でも勢いがあるのが「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」。国内のみならず米国、フランス、スペイン、香港などでも売り上げを伸ばしている。同社のゼネラルマネジャー手塚晃司さんは29日に行われた表彰式で「2017年は海外の数字が伸びた。『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』は世界39カ国でトップ10に入り、22カ国でセールス1位になった。世界にはまだまだ強豪がいる。『友情・努力・勝利』で頑張っていきたい」と話した。

トップ52社から日本企業を抜き出したランキング

 App Annieの「2017年アプリ市場総括レポート」によると、日本のゲームアプリ市場は2年で60%増と堅調に成長している。一方中国は2年で3.5倍(250%増)と急成長している。パブリッシャーもノウハウを積み上げ、日本市場でも中国のゲームの存在感が強くなっている。日本企業は国内外で“世界の強豪”と戦っている。

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