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» 2018年01月31日 06時00分 公開

経験か、完全な客観性か:「い」「た」「て」「と」は何を示す? 半世紀以上前の事件に最新鑑定「99.9%別人」 (1/3)

狭山事件の再審請求で、捜査関係者らが経験的に判断してきた筆跡を、コンピューターが科学的に検証する方法を導入すると、「99.9%の確率で筆者は別人」との結果が出たという。

[産経新聞]
産経新聞

 埼玉県狭山市で昭和38年に女子高校生=当時(16)=が殺害された狭山事件で無期懲役が確定し、仮釈放された石川一雄さん(79)の第3次再審請求で、弁護団が今月、新たな研究に基づく筆跡鑑定の結果を東京高裁に「新証拠」として提出した。これまで捜査関係者らが経験的に判断してきた筆跡を、コンピューターが科学的に検証する方法で、弁護団によると、この鑑定方法が刑事裁判で審理されるのは初めて。最新の知見が50年以上前の事件の審理に影響するのか、注目される。(社会部 加藤園子)

photo 狭山事件での筆跡鑑定

経験か、完全な客観性か

 「やはり『字調べ』をやってほしい。そうすればおのずと無実が明らかになる」

 今月22日、東京・霞が関の司法記者クラブで開かれた会見で石川さんが「字調べ」と表現したのは、事件当時に被害者宅に届いた脅迫状の筆跡と、石川さんが書いた上申書の筆跡を比べる筆跡鑑定のことだ。石川さんを無期懲役とした昭和49年の東京高裁判決は、「脅迫状の筆跡と上申書の筆跡が一致する」とした埼玉県警鑑識課の捜査員による鑑定結果などを決め手の一つとし、有罪判決を下した。

 22日にあった高裁、検察側、弁護側の3者協議で弁護側が新たに提出した鑑定結果は、東海大の福江潔也教授がコンピューターで計測した筆跡鑑定結果。脅迫状と上申書に繰り返し出てくる「い」「た」「て」「と」の4文字について、筆跡を重ね合わせたときの同一文書内でのずれ方を計測し、個人の「書きむら」の範囲を調べた。2つの文書の文字の違いを数値化したところ、個人内の書きむらでは説明できないほど大きな相違度があり、「99.9%の確率で筆者は別人」との結果が出たという。

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