意識低い系、「ヤフコメおじさん」にならないために常見陽平のサラリーマン研究所(3/3 ページ)

» 2018年02月02日 06時00分 公開
[常見陽平ITmedia]
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「ヤフコメおじさん」にならないために

 ここからが本題だ。News Picksなどでいかにも切れ者ふうに、時にやや地に足がついていないようなコメントをしているのが意識高い系だとすると、ヤフコメで大暴れする親父、ヤフコメおじさんは意識低い系の代表だ。意識高い系も痛いが、意識低い系も問題だ。

 「私はヤフコメおじさんになりたくない!」――そんな意識の高い問題意識の持ち主である、若い担当編集者S君のリクエストにお答えし、「意識低い系ヤフコメおじさんにならないための鉄則」を考えてみた。

 結論から言うと「メディアリテラシーを身に着けよう」「具体的に考え、表現することにこだわろう」「人生を充実させよう」この3つに尽きる。要するに普段の生活習慣がモノを言う。

 メディアリテラシーについてだが、特にYahoo!ニュースに載った記事の配信元がどこなのか、誰が書いたのかを確認しよう。関連する他の記事と読み比べるとより良いだろう。

 ヤフコメおじさんの残念なことは、ひたすら感情論で書き散らかすことだ。ヤフコメ欄での賛同を狙うために、ウケをねらった表現はうまいのだが。

 「言葉は人に復讐する」という考え方がある。昔、中学か高校の現代文の教科書でそんな文章を読んだことがある。雑な言葉、下品な言葉を使っているとそれは個々人の考え方にまで逆に影響を与えてしまうのだ。だから、普段から解像度高く物事を捉え、具体的な言葉で表現することを心掛けるべきなのだ。

 最後に、人生を充実させることだ。ヤフコメで毒を吐くのが生きがいとは、なんて残念な人生なのだろう。楽しく生きること、もっというと目の前のことを楽しみ尽くすことこそがポイントだろう。というわけで、意識高い系も残念だが、意識低い系も問題だ。「意識普通系」でいこう。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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