高梨沙羅にイチャモンをつけたくなる、3つの理由赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)

» 2018年02月02日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

悪態にも批判

 そして「悪態」――。一部メディアが報じたところによれば、高梨の取材対応は非協力的で所属事務所の意向もあって肖像権を気にするがあまり、報道カメラマンの写真撮影にも常に神経を尖らせているという。確かに取材現場では「鼻に付く対応も時折見られるから、できることならば高梨とはあまり接したくない」と露骨な拒否反応を示す声もチラホラと聞こえてくる。

 14年には高梨の実父が各メディアに北海道上川郡上川町の実家に集まるように呼びかけ、大ひんしゅくを買ったこともあった。誰もが高梨に関する重大発表があると思っていたのに、その場で明らかになったのは「実家が焼肉屋をオープンする」という信じられないような“オチ”。しかも集まったメディア各社に5000円を請求したことで、報道陣が怒りを爆発させた。

 こうした背景をあらためて並べてみると、彼女が注目を浴び始めた当初のイメージである「純朴なヒロイン」から昨今の「ヒール」に成り変わる要素は多分にあったと考えられる。ただし気の毒なのは、高梨が自ら望んで今の「嫌われ者」になっているわけではないという点だ。

 そもそも高梨に逆風が吹き始めた発端は、やはり前出の「焼肉屋オープン騒動」だったと思われる。一般人なのであまり責めたくはないが、実家のメディアに対する一時の“判断ミス”が実娘の沙羅へと波及してしまい「この親にしてこの子あり」といった印象が徐々に構築されていった。メディアを一旦敵に回すと勝手な悪口を書かれ、取り返しの付かない事態へと発展していくことは昔からよくあるケースだ。

 個人的には高梨のメイクも何ら悪いことはないと考えている。年頃の女性が美意識に目覚めることは至極当然。「アイラインが濃過ぎる」とか「すっぴんのほうがいい」などと注文を付けるのは人それぞれの好みの問題であって、本人にとってはまったくの余計なお世話だ。

 それからベンツについても祖父から「NO」を突きつけられているにせよ「別にいいんじゃないの」というのが率直な感想である。もし高梨がこれまで何の結果も功績も残していないのであれば「はあ?」と疑問符が投げかけられても仕方がないだろう。だが、彼女はジャンプの男女を通じて歴代単独最多の通算54勝にリーチをかけているほどの存在なのだ。

 どれだけがんばっても年間で賞金1000万円に満たない“薄給”のノルディックスキー・ジャンプ女子の世界で少女時代から奮闘し続けてきた。そして、こうした数々の実績が評価されているからこそ彼女はCM出演やスポンサー契約で収入を増やし、1社につき数千万単位と言われる相応の対価を得ている。だから本人が望むならばベンツを乗り回そうが、構いやしない。それこそ気分転換が図れ、競技へのモチベーションアップにつながると解釈したら彼女にとっては逆にプラス材料となるはずだ。

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