ソニー社長に吉田副社長、「時価総額に危機感」グローバルトップ企業を意識

» 2018年02月05日 06時00分 公開
[ロイター]
photo 2月2日、ソニーは、吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。平井一夫社長兼CEOは代表権のない取締役会長に就任する。4月1日付。写真は会見する吉田CFO。東京のソニー本社で撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 2日 ロイター] - ソニー<6758.T>は2日、吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)が社長兼最高経営責任者(CEO)に昇格する人事を発表した。4月1日付。

会見した平井社長は交代のタイミングについて「中期計画の目標を上回る見通しがついた。こうした好業績の時に新しいCEOにバトンを渡すのがいいと判断した」などと説明。吉田副社長を推した理由については、強固なリーダーシップを持っていることや各事業に精通していることなどを挙げた。

平井一夫社長は代表権のない取締役会長に就任する。自身の役割については「あくまで吉田新社長を補佐するのが私の役割だ」と述べ、サポートに徹する意向を示した。

吉田次期社長はソニーの経営課題について「時価総額はすべてではないが、いまはグローバルトップ企業はすべてテクノロジーの会社だ」と指摘。「ソニーはテクノロジーの会社なので、そこに対する危機感は持っている」と時価総額を意識して経営に当たる意向を示した。さらに「バランスシートの改善は緒についたばかりだ」とも述べ、バランスシート改革を進める方針も明らかにした。

ソニーは2018年3月期に20年ぶりに過去最高の営業利益を達成する見通しとなるなど、足元では復活を印象づける話題が相次いでいる。

平井社長は経営課題について「20年ぶりの好業績で危機感がなくなってしまうのが一番大きな課題だ」と語った。

吉田氏の後任のCFOには、十時裕樹最高戦略責任者(CSO)が就任する。

(志田義寧)

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