カーリング女子はどうなる? このままでは行く末が心配赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2018年03月02日 07時15分 公開
[臼北信行ITmedia]

五輪メダリストへの報酬が低過ぎる

 なぜ、こんなことを提言するかといえば、「カー娘」を含め一部の“マイナー競技”で成果を残したはずの五輪メダリストへの報酬が低過ぎるのではないかとの声が噴出しているからだ。

 ちなみに日本には公益財団法人「日本オリンピック委員会(JOC)」からメダリストたちにボーナスを支給するシステムがある。それが報奨金制度だ。1992年のアルベールビル冬季五輪から金メダル300万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円が用意されるようになり、常設化されることになった。

 2020年の東京五輪・パラ五輪の開催が決まったことを受け、15年10月1日から文部科学省の外局としてスポーツ庁が発足。それまですべて担っていた選手強化費を同庁が交付するようになった背景もあり、懐事情が大幅に良くなったJOCは直後に開催された16年のリオ五輪から金メダルのみ報奨金を500万円へ引き上げた。だが、銀と銅の額は据え置きのまま。つまり、銅メダリストとなったLS北見の面々は報奨金としてJOCから個々に100万円を受け取ることになる。

 メダリストたちの間で格差が生じるのは、JOCとは別に各競技団体から支給される報奨金の有無だ。この支給額が多ければ多いほど、その競技団体には体力があると言える。逆に支給額が少ないか、もしくはゼロの競技団体は比較的厳しい運営状況を強いられていると言わざるを得ないのである。

 平昌五輪の日本代表選手の中において、最多7個のメダルを獲得した日本スケート連盟はJOCと同額の報奨金を支給する。これにのっとれば日本女子選手として史上初となる金銀銅の3色メダル制覇を果たした高木美帆選手はJOCと同連盟から併せて1600万円の報奨金を得られることになる。

 日本におけるスキーやスノーボードを統括する全日本スキー連盟も額こそ明らかにしていないものの、メダリストには報奨金を支給することを決めている。しかしながら「カー娘」たちは今回、この恩恵に授かることはできない。なぜか。

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