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» 2018年03月07日 06時00分 公開

認証だけがひとり歩き:インバウンドに黄色信号も ムスリムの信頼揺らぐ日本の「ハラル認証」の実態 反応 (1/5)

ムスリム(イスラム教徒)の訪日客が急増する中、イスラム教の戒律に従ったハラル食を提供する飲食店がこぞって取得を目指した「ハラル認証」の信頼性が揺らいでいる。

[産経新聞]
産経新聞

 ムスリム(イスラム教徒)の訪日客が急増するなか、イスラム教の戒律に従ったハラル食を提供する飲食店がこぞって取得を目指した「ハラル認証」の信頼性が揺らいでいる。認証団体が乱立し、統一基準がないまま認証だけがひとり歩きした結果、かえってムスリムの不信感を増長させる事態になっているためだ。このため、飲食業界ではSNS(会員制交流サイト)などで食材や調理方法を公開したり、店頭での説明を徹底したりするなど、認証に頼らないアピールが広がっている。(小松大騎)

photo 日本食レストラン「祭」では、たこ焼きや寿司などの日本料理を多くのムスリムが堪能している=大阪市福島区(祭提供)

揺らぐ認証への信頼

 日本最古のモスク「神戸ムスリムモスク」(神戸市中央区)は、東京のモスク「東京ジャーミイ」と並び日本を訪れるムスリムに人気の観光地で、年間7千人以上が訪れる。一方で、日本食への興味を持ちながら、食事を済ますことなく神戸を離れるムスリムは少なくない。

 モスクに毎週通うムスリムの大学生、ユースフ・ムハンマドさん(25)は「ほとんどの観光客が日本料理に挑戦しようとするが、ハラル認証を信じ切れなかったり、日本語表記しかない食品の成分表に戸惑ったりしている」と明かす。結局はモスク周辺にある日本在住のムスリムが営む食品店で即席麺を購入するか、自国から大量のレトルト食品を持ち込んでホテルで食事するムスリムが依然として多いという。

 日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人客は約2870万人。人口の6割がムスリムのマレーシアからは約44万人、9割のインドネシアからは約35万人で、5年前と比べてそれぞれ3倍以上になっている。ムスリムの多い東南アジアの経済成長もあり、東京五輪が開かれる2年後には中国人客を上回るとの予想も出ている。

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