急増中の「久世福商店」は、こうして生まれ、こうして稼いだ水曜インタビュー劇場(集めた公演)(5/6 ページ)

» 2018年03月28日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

久世福商店が増えたワケ

山田: 日本中からいいモノを集めて、それを販売しているところがありますが、そうしたところは全国展開が難しい。なぜか。地方でつくっているいいモノって、利幅が少ないので、あまりもうからないんですよね。例えば、1000円の商品を600円で卸してくれる。もうけは400円ですが、そのうちの200円は家賃として差し引かれる。商業施設に出店すると、売り上げの15〜20%は負担しなければいけないので。

 そうすると、残りは200円。そのなかから、人件費、物流費、水道・光熱費などを引くと、利益を出すのは本当に難しい。というわけで、仕入れたモノだけで運営していたら、経営は成り立ちません。では、どうしているのか。当社の場合、オリジナル商品を販売しているんですよね。

 「オリジナル商品」と簡単に言いましたが、実際につくることは難しい。当社はメーカーでもあるので、商品開発のノウハウがある。社内に開発チームがあるので、そこでオリジナル商品をつくってもらいました。

土肥: 例えば?

山田: ジャムやパスタソースをつくっているので、和風味のパスタソースや和風味のドレッシングなどを開発しました。自社製造商品なので、自由に価格を設定できます。また、他社と共同でつくったモノもあって、そうした商品も利益がとれます。

 利益率の高い商品と低い商品を組み合わせることによって、一定の利益を確保することができました。ちなみに、全商品のなかでオリジナル商品は3割ほど。今後、この割合を高くしたいですね。

土肥: なぜ久世福商店は店舗を増やすことができたのか。答えは、オリジナル商品を開発するチカラがあったから。販売するだけではダメ、開発するだけでもダメ。両輪をうまく回すことは難しいので、他社はなかなか真似ができなかったのかもしれない。

 ところで、店舗数についてはいかがですか。急速に増えると、生産が追い付かない商品も出てくるのではないでしょうか?

イオンモールりんくう泉南店

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