名車の引退を惜しむ スズキ・ジムニー池田直渡「週刊モータージャーナル」(3/3 ページ)

» 2018年04月02日 06時30分 公開
[池田直渡ITmedia]
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新型への不安

 さて、ジムニーはまもなく新型が登場する。スズキの広報もまだ次世代ジムニーの発売スケジュールを知らない。ということは、デビューは恐らく夏以降になるはずだが、そのジムニーの登場を楽しみにする気持ちがある一方で、次世代に対しての不安もまたある。

 まずは全世界的に重大問題になっているCAFE(カンパニー・アベレージ・フューエル・エコノミー)への対応で、ギヤリングを見直さなければならない点だろう。高速の騒音と燃費は良くなるだろうが、そちらにリソースを割かれる分、低速が今ほど緻密なものにならなくなる可能性がある。

 同じく衝突安全ブレーキが装備されれば、ブレーキ油圧系に余計な油圧回路が付くことになる。それは油圧の逃げ場を増やすことになる。しかもこの手のブレーキアシストはサプライヤーの汎用品だ。仮に現行モデルに付けたとしてもジムニーの素晴らしい操作系の邪魔にならないという保証はない。

 本当はこうした杞憂をすべて吹き飛ばして、ジムニーにもう1度名車として君臨してほしい気持ちは強い。果たしてどうなるのか、今夏の重大イベントの1つとして待とうではないか。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。

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