YouTube本社の銃撃事件、投稿動画の閲覧制限に憤り犯行か「私は差別を受けている」

» 2018年04月05日 15時51分 公開
[ロイター]

[サンフランシスコ 4日 ロイター] - 米カリフォルニア州サンフランシスコ近郊にある動画共有サイト「ユーチューブ」の本社で3日起きた銃撃事件で、地元警察は4日、容疑者の投稿動画がユーチューブ上で閲覧制限を受けていたことへの憤りが犯行動機だったとの見方を示した。

容疑者の女は犯行後に自殺した。

photo ナシム・アフダム容疑者。4日警察提供(2018年 ロイター)

イラン生まれのナシム・アフダム容疑者(39)は犯行前、自身のユーチューブアカウントで「私は差別を受けている。ユーチューブで制限が掛けられている」と英語で訴える動画を投稿していた。このアカウントは3日に削除された。

容疑者は動物虐待に反対する動画やエクササイズ指導の動画などを投稿。ユーチューブで具体的にどのような制限を受けていたかはほとんど明らかにしていない。

容疑者はこのほか、インターネット上の投稿で「不公平で退廃した世界」への不満もつづっていた。

地元警察はユーチューブへの怒りが犯行動機だったとの見方を示し、それが「テロリズムのレベル」かどうかは数週間以内に判断される見通しだとした。

警察によると、容疑者は発砲した際に特定の人物を狙っていなかった様子。

この事件では3人が負傷し、病院に搬送された。病院によると、うち1人は重体で現在も入院中、残りの2人はすでに退院した。

アフダム容疑者は事件の数日前、家族と口論となり、サンディエゴの自宅を出たため、家族が警察に連絡していた。警察によると、警官が3日に車中の容疑者を発見した際、協力的な態度で、ユーチューブについて語らず、誰かを攻撃する兆候は見られなかったという。

現地紙によると、容疑者の父親は警察に対し、娘がユーチューブに反感を抱いているため本社に向かう可能性があると伝えたと語った。

一方、警察は、容疑者の発見後に家族と2度話したが、容疑者が暴力行為に及ぶ危険性について言及はなかったとしている。

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