BAKE創業5周年 新社長が語る「戦略」と「課題」新ブランドも発表(2/2 ページ)

» 2018年04月11日 09時43分 公開
[青柳美帆子ITmedia]
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――「1ブランド1商品」というビジネスモデルのメリットやデメリットはどのようなものでしょうか。

 このコンセプトは創業者の長沼から引き継いだもので、1つの商品のクオリティーを追求しつつ、シンプルなオペレーションで効率をアップさせることができるメリットがあります。僕なりに解釈しているのは「価値やブランドカラーを明確に伝えやすくなる」ことですね。

 運営側からするとリスクでもあるんです。一般的にお菓子屋はお客さまを飽きさせないために、季節に応じて商品を変えていきますが、1つに絞っていると“逃げ道”がありません。ただ「1つの商品に絞ってお客さまと向き合う」という覚悟ができます。その覚悟や商品にデザインという付加価値があることが、BAKEブランドのアイデンティティーではないかと思っています。そんな会社がお菓子業界の中に1つ存在していてもいいのではないでしょうか(笑)。

1ブランド1商品を貫くBAKE。アップルパイの「RINGO」も成長中だ

課題は「チーム作り」

――今後の上場予定や課題意識はありますか。

 IPOはスポンサーと協議をしながら進めています。市況も鑑みているので、時期は明確に決めてはいませんが、上場を視野に入れて準備やコーポレートガバナンスの準備も進めています。

 課題は……そうですね、組織についてでしょうか。新しい社員が増え、創業期を乗り越えてきたメンバーとの間にギャップが生まれている。価値観やバリューの共有・伝承が僕のテーマになっています。

――社長就任時に、長沼会長が「チーム作りに期待」というコメントを寄せていましたね。

 そうですね。長沼は総合商社での勤務後、すぐに家業を継いでBAKEの立ち上げに入ったので、いわゆる会社の中で管理職として働いた経験がなかったんです。ずばぬけたマーケティングのセンスでBAKEを成長させてはきたものの、組織構成やポジションの配置に対して、強い課題意識を持っていたようです。

 今取り組んでいるのが、はやりすたりがあっても、しっかりとブランドを積み上げていける組織構成をどう実現するか。そのために「事業部制」への移行を始めました。各ブランドを1つの事業部にし、それぞれのブランドを深掘りしてマネジメントできる事業部の経営者――プロデューサーを置くイメージです。現在は広報などのサポートメンバーの負荷も大きいので、間接部門の強化に投資も始めました。

 今すぐホールディングス化するようなことは考えていませんが、未来のイメージとしては近いかもしれません。現在は「BAKE CHEESE TART」とバターサンドの「PRESS BUTTER SAND」が独立しており、将来的には「RINGO」も分割を視野に入れています。

バターサンド「PRESS BUTTER SAND」も好調
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