これらの取り組みを続ける理由として海商の広報担当者は「自社の知名度を上げるため」と説明する。地元では「ミナミマグロの目利き力に優れた社員が多い仲卸」として知られているが、全国的な知名度はほとんどない。まず、社名を知ってもらうことで、魚食への関心を高めるとともに、新規取引先の獲得も狙いたいという。
一連の新商品販売の成果は着実に出ている。同社が運営するオンラインショップの売り上げは「じわじわ伸びている」(広報担当者)。さらに、飲食店からマグロを卸してもらいたいという引き合いもあったそうだ。
水産物に限らず、卸を通さない取引は拡大している。海商がここまで新規事業に力を入れる背景には、新しいビジネスモデルをつくらないと自社の存続が難しくなるという判断もあるのだろう。
目新しさだけでは消費者にすぐ見透かされてしまう。ユニークなビジネスを継続するには、アイデアだけでなく、「確かな目利き力」が不可欠だ。海商のこうした取り組みは、仲卸会社が今後生き延びる1つのモデルになるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング