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» 2018年04月19日 06時00分 公開

クローズアップ科学:見えない乱気流から飛行機を守れ 過去に死傷事故、JAXAとボーイングが検知実験開始 (1/3)

飛行機にとって乱気流による「エアポケット」は厄介な存在だ。発見が困難で、激しい揺れで犠牲者が出たこともある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月、米航空機大手ボーイングと共同で検知装置の飛行試験を開始し、5年後をめどに実用化を目指す。

[産経新聞]
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 飛行機にとって乱気流による「エアポケット」は厄介な存在だ。発見が困難で、激しい揺れで犠牲者が出たこともある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月、米航空機大手ボーイングと共同で検知装置の飛行試験を開始し、5年後をめどに実用化を目指す。(小野晋史)

phot 飛行機の強敵

一瞬で天井に頭

 エアポケットは「晴天乱気流」によって引き起こされる下降気流だ。乱気流は文字通り空気の乱れで、積乱雲のような雲の中だけでなく、民間機が飛行する高度1万メートル付近の雲の上でも起きる。雲の上は晴れているので、ここで起きるものを晴天乱気流という。

 エアポケットに巻き込まれると、機体は激しく上下に揺れ、数秒で数百メートルも急降下する場合がある。2011年に紀伊半島沖上空で5人が重軽傷を負った事故では、乗客らは「機体が突然、突き上げるように持ち上げられ、その後、大きく突き落とされた」「一瞬で頭が天井にぶつかった」と証言した。

phot 晴天乱気流に巻き込まれて富士山麓に墜落した英国海外航空(当時)の機体=1966年

 晴天乱気流による事故は日本近辺だけでも何度も起きており、1997年に北太平洋上空で死者1人、重軽傷160人以上の被害が発生。66年には富士山上空で英国海外航空機が空中分解し、124人が全員死亡する大惨事となった。

 エアポケットは「ジェット気流」と呼ばれる強い偏西風が吹き続ける高い高度で生じやすい。高度によって向きが異なる風に挟まれた場所で、上下方向に渦を巻くように発生する。渦の高低差は数百メートルに達することも珍しくない。

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