東京ミッドタウン日比谷の隣にマダムの聖地があった!繁盛店から読み解くマーケティングトレンド(2/3 ページ)

» 2018年04月24日 06時30分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

マダムはコトだけでなくモノもほしい

 18年春は、1階を中心にリニューアルしています。1階には雑貨やベーカリーなど購買頻度が高い業種と、婦人服ブランドを組み合わせたフロアにしているのが特徴です。

 グランドオープン後の全体の店舗構成は、物販37店、レストラン・カフェ17店、ビューティー・リラクゼーション12店の合計66店舗です。雑貨を増やしたとはいえ、最近のリニューアルの中では比較的、洋服を販売する店舗が多いのが特徴です。マダムにとってはやはり物販、特に洋服や雑貨は必須のアイテムなのです。特に洋服についてはリニューアル以前からある「銀座マギー」に加え、「セオリーリュクス」なども導入し、新規客獲得に向けたテナントも強化しています。

 日比谷シャンテも他施設同様、各店の売れ筋商品がアパレルからバッグやシューズといった服飾雑貨にシフトしているようですが、多くの固定客がいてアパレルを購入する女性客も少なくないのです。通常であればアパレルは売れないからテナントとして誘致しないとなるのが最近の商業施設の時流です。しかし、日比谷には洋服を購入したいマダムが集まるので、婦人服専門店が成り立ちます。これも日比谷シャンテが面白い理由です。

 宝塚グッズはもとより食品からキッチン雑貨、眼鏡、化粧品、ウィッグなど、マダム向け商品の宝庫です。観劇などのコト消費を楽しんだ後は、やはりモノ消費へと興味関心は移るのです。

日比谷シャンテの85%は女性客

 日比谷シャンテの来館者の約85%は女性で、男性はほとんどいません。従って、3階のアウトドア系のショップを除くと、その大半はマダム向けになっています。1階にはマダムに向けたショップとして「wb Crea deux」「ケイコスズキ コレクション」「ノリエム」「Rossa」などが入居しています。なかなか他の施設では見ないラインアップです。商業施設で1階にミセス向けアパレルだけがズラリと並ぶこと自体が珍しいです。その意味でも同施設は特徴があります。

 2階にもミセスやシニアに人気のあるDoCLASSEのレディス、メンズ、靴業態であるfitfit、「MB LUCAS Cachette & REAC」を導入しています。

DoCLASSE レディス DoCLASSE レディス

 DoCLASSEと言えば、40〜50代の女性の「大人服」として通販を中心に人気を集めているブランドですが、ここ数年は店舗展開も強化しています。外反母趾にもやさしい靴をそろえるfitfit、ご主人向けのメンズ服など、まさに日比谷シャンテマダムにぴったりの構成です。

 地下1階はほとんどリニューアルされていませんが、マダムにとっては欠かせない宝塚歌劇オリジナルグッズ販売の「キャトルレーヴ」、女優のような写真が撮れるフォトスタジオ「オプシス」など、日比谷シャンテならではの店が入っています。

 3階には、核店舗の1つとして「HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE(日比谷コテージ)」を導入しています。HMV&BOOKSで初となる女性をターゲットにした商品をセレクトした店舗で、女性向けの棚づくりや女性に特化した本の編集など、特徴のある品ぞろえが目を引きます。

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