160円でJRを“大回り乗車” 新緑と彩り駅弁、唐揚げそばを味わう12時間杉山淳一の「週刊鉄道経済」GW特別編(3/6 ページ)

» 2018年04月27日 08時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

 「山の信州 いろどり弁当」は、ごはん部分が和風。茶飯に野沢菜と卵そぼろを散らし、タケノコが乗る。箸休めは大根のみそ煮。おかず部分は和風と洋風が半々。マスのみそ焼とハンバーグが主役。このハンバーグ、鹿の肉だって。おお、なんとなく野趣な味。そして脇を固める煮物。ニンジンとインゲン、そして油揚げに包まれたこれは……あ、鶏肉だ。主役も張れるバイプレーヤーがいた。お品書きを見ると、信田巻っていうのか。

 エリンギはネギ塩、ブロッコリーはコンソメ。ちゃんと味が付いている。その隣はリンゴ。白ワイン煮か。凝ってるなあ。丸い弁当箱の中に、デザートまで詰まってた。大満足。

photophoto 華やかなパッケージの「山の信州 いろどり弁当」。品目が多いとリッチな気分だ

 もう少しで食べ終わる頃、高崎行きの気動車がやってきた。なんだ。こんなに早く来るなら、待って車内で食べれば良かった。下調べをしない旅だから仕方ない。開けちゃった弁当の残りを頬張って、弁当殻を片付けて車内へ。

あえてだるま弁当を買わず

 八高線も非電化区間となれば、きっとひなびたローカル線のハズ。……と思っていたけれど、意外にも沿線の宅地化が進んでいる。こうだったっけ、と思ったけれど、私の前回の乗車は1983年だった。つまり35年ぶり。そりゃあ変わるよね。むしろ宅地化が進んで乗客が増えて、廃線の危機と無縁になったかもしれない。それでも東武東上線と接続する越生駅から先は緑が多く、車窓に山が近づいてくる。旅らしい風景になった。

photo 八高線の北側はディーゼルカーだ
photo これがクロスシート。2人用もある
photo 旅らしい景色になってきた

 高崎駅到着は午前11時45分。駅構内に旧型客車がいたけれど、休日のこの時間帯はSL列車に引かれて出発しているはず。私の目的は駅弁だ。階段を上がり、新幹線乗り換え口手前の売店へ。

 高崎といえば「たかべん」。だるま弁当が人気。だけど私のお気に入りは鶏めし弁当。朝早く来れば、話題になった「上州の朝がゆ」もある。さて、今日はどうするか。だるま弁当は通常版はもちろん、陶器に入った復古だるま弁当も、容器がかわいいハローキティだるま弁当も食べた。今回は新メニューにしよう。春限定の「旬彩弁当はるいろ」(1300円、税込)だ。

photo 高崎駅。たかべんの駅弁のほか、おぎのやの「峠の釜めし」(横川駅)、新杵屋「牛肉どまんなか」(米沢駅)は、もうどこの駅のものか分からないくらい都内で見かける

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