<潜在的な価値はあるのか>
シンガポールに本拠を置くフィンテック企業ダンカン・キャピタルの創業者ジョー・ダンカン氏は、各国政府が徐々に仮想通貨規制を緩和するにつれて、個人投資家も戻ってくると期待している。
「だが、ビットコインはこれからも市場優位性を幾分失うだろう」とダンカン氏は言う。
ビットコイン市場は、弱気相場と強気相場のあいだにある「煉獄」期間に入っている、とニューヨークのファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのマネージングパートナーで共同創業者のトーマス・リー氏は語る。この状態が少なくとも9月まで続く可能性があると同氏は予想する。
1つの問題は、大口機関投資家の多くが、ビットコインの基礎であるブロックチェーン技術が金融セクターにどのような革命をもたらすかについて興味を抱いているものの、ビットコインそのものが通貨として広く受容されておらず、本質的な価値を持っていないという点だ。
このことと、ビットコインの高いボラティリティーが、投資家による価格予想を非常に困難にしている。
一部のアナリストは、デジタル世界のなかで、他の仮想通貨が商取引に用いられる一方で、ビットコインは「金地金」のように資産としてのプレミアムを保つのではないかと考えている。
他方、ビットコインも単に新たな種類の資産でしかないと考えるアナリストもいる。
「仮想通貨を保有する理由の1つは、それがリスクヘッジの手段として有効だからだ」。ファンドストラットでデータアナリストを務めるサム・ドクター氏はそう語る。ファンドストラットの創業者はビットコインに関する強気の姿勢で有名であり、今年もビットコイン価格が大幅に上がると予言している。
「この理由が間違いだと証明されることが起きない限り、他の資産クラスが下落しているときに、仮想通貨を売ろうとはしないだろう」とドクター氏は語った。
(翻訳:エァクレーレン)
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