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「この話なら誰にも負けない」を探そう人生やらなくていいリスト(2/2 ページ)

» 2018年05月11日 07時30分 公開
[四角大輔ITmedia]
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 当時のぼくは、釣りに関してなら語れることに、あるとき気付く。人に会ったら臆せず、軽く釣りの話をしてみる。同じ内容の話を何人かにしてみる。すると「人はこのポイントに興味を持つ」とか、「この順番で話すと最後まで聞いてくれる」などが分かってくる。

『人生やらなくていいリスト』(著・四角大輔、講談社+α文庫) 『人生やらなくていいリスト』(著・四角大輔、講談社+α文庫)

 この段階である重要なことに気付く。釣りに興味のない人は、そんなに長い時間、集中して話は聞いてくれないことに。次に心掛けるべきは「できるだけ短く、シンプルに話すこと」。長くて10分、できれば5分以内におさめるべくトレーニング、つまり人に話す練習を続けてみる。さらに3分、1分バージョンを作るべくやってみるといい。何度もトライを重ね、失敗を繰り返していると、核心部をもらさず網羅できている、コンパクトな「鉄板トーク」が完成するようになる。こうなれば、しめたもの。

 次にやったのは、自分の周りで話がうまい人を探し出すこと。その人の技術を盗み、鉄板トークをさらにバージョンアップさせるのだ。例えば、話を聞いている途中でも「これは使える!」と思う表現や言い回しがあったら、その場で「いいですか?」と断ってすぐにメモる。言いづらければ、トイレに行った隙にメモしたり、急ぎのメール返信の許可を得て、ケータイで自分宛てにメールをしたこともある。

(photo by 加戸昭太郎 @strju9)

 ぼく自身、話し方セミナーに参加したり、話し方本も読んだ。けれども、身近な人の言葉のほうが、自分にとって断然「生きた」「すぐに使える」言葉にあふれているものなのだ。タイムラグが生まれざるを得ない書籍や講演と違って、周辺にいる話がうまい人が「実際に使っている」言葉は、リアルタイムで最新だし、自分にとっても「実際に使える」ことが多い。話し方やプレゼンのコツを知りたかったら、あなたのすぐ横にいる「うまい人」から学ぶことをすすめたい。

 いつでも、いちばんの学びの場は、書物や教室よりも、現場だ。ぼくにとっての釣りのような、あなただけの「好き」「ワクワク」「心地いい」を思い出そう。そのヒントは、これまでの人生に必ずあるから。

 そして、それを情熱的かつ簡潔に話し、興味のない人を惹きつけられたらもう大丈夫。後は、身に付けたその「型」を他のテーマにあてはめるだけでいいのだ。

著者プロフィール

四角大輔(よすみ だいすけ)

1970年大阪生まれ。モバイルテクノロジーを活用することで場所の制約を受けないワークスタイルを構築し、ニュージーランドの湖で半自給自足の”森の生活”を、年の数ヶ月は世界中で”移動生活”を送りながら様々なプロジェクトを手がける。

Instagram、多数の連載、公式メディア〈4dsk.co〉を通して独自のライフスタイルシフト論を発信。アーティスト育成と大自然への冒険をライフワークとしながら、複数の企業の役員やアドバイザー、大学非常勤講師、会員制コミュニティ『Lifestyle Design Camp』学長を務める。著書に、12万部を突破し若者のバイブルともなっている、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』や、『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』、『The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅』など。レコード会社プロデューサー時代に配信を含めて10度のミリオンヒット、CD売上2000万枚を記録。


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