政府が4月に「知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議」で、民間のインターネット接続業者(ISP)に「漫画村」「AniTube!」などの海賊版サイトをブロッキングするよう促したことについても、大手キャリアで対応は異なる。
NTTドコモは政府の結論が妥当であるとし、日本電信電話(NTT)などグループ3社とともに海賊版サイトに対するブロッキングの実施を決定した。時期は「準備が整い次第」(吉澤社長)という。
吉澤社長は決算会見で「(海賊版サイトは)コンテンツやインターネットのビジネスの発展を妨げている。見過ごすわけにはいかない」「閉鎖されているからといって、ブロッキングをしないということはない」と強気の姿勢を示した。
吉澤社長は政府に対しても、「通信の秘密と著作権の侵害のせめぎ合いで、さまざまな意見があることは承知している。速やかな立法化を求めたい」とコメントしている。
KDDIの高橋誠社長は「(海賊版サイトが)価値あるコンテンツでもうけることは悪質だ。違法な閲覧は止めなければならない」と語る。ただし、「(3サイトは)全て閲覧できなくなっているのが現状だ。通信の秘密も含めてさまざまな議論が起きているため。今後は議論の成熟に合わせて対応する」と述べ、具体的な対応策については明言を避けた。
SBGの携帯事業会社・ソフトバンクの宮内謙社長は「ブロックすべきサイトとそうでないサイトが混ざってしまう恐れがある」としたうえで、「現在は検討段階だ。NTTドコモはブロックすると発表していたが、当社では賛否両論だ」とコメント。
「著作権を侵害していることは事実だが、『通信の秘密』に反するとの指摘もあり、線引きが非常に難しい。国としても(ブロッキングを)法案化するどうかで意見が分かれている。今後の展開を見ながら対応していきたい」(宮内社長)と話した。
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