ビジネス的にはどうか。flierは法人向けからサービスをスタートした。本はビジネススキルアップなど人材育成に関係するという狙いからだ。企業の人事部門を中心に提案活動を行い、金融やIT、コンサルティング業界などで導入が進んだ。現在の顧客数は200社前後。全社員が利用する企業も少なくないという。
一方、コンシューマー向けについては、ほとんど広告宣伝をしてはいないので、基本的には口コミなどで新規ユーザーが増えているそうだ。
ユーザーは30〜40代が大半。それに20代、50代を加えると全体の9割に上る。サービスの利用時間帯は、平日の朝も少なくはないが、それ以上に夕方以降の時間帯が多いのだという。「恐らく朝はニュースサイトをチェックするビジネスパーソンが多いのです。逆に会社からの帰り道は自分のための時間として、スキルアップや趣味に関するサイトをチェックする傾向にあると思います」と大賀CEOは述べる。
これまでは社内に営業担当者をつけず、大賀CEOが窓口となり顧客開拓を行ってきた。ただ、事業規模が大きくなってきたこともあり、今後は社内にも専属の営業が必要だと感じている。
サービスの機能強化にも余念がない。18年4月には人工知能(AI)技術による自動読み上げ機能を活用して要約記事の音声化を始めた。「ユーザーが学ぶ場面はさまざま。自動車を運転しながらラジオ感覚で本の要約を聞きたい方もいるだろうし、目の不自由な方や、PCやアプリでは文字が小さすぎて読めない、あるいは文字をずっと読んでいると疲れるといった方などに音声版は向いていると考えています」と大賀CEOは意気込む。6月にアプリにも音声機能を実装する予定だ。
サービスのグローバル化も視野に入れる。1つは海外で売れているビジネス書などを独自に翻訳、要約するサービスだ。これによって翻訳本の発売などを待たずに、ほぼリアルタイムで日本のユーザーも内容を知ることができる。もう1つは日本の書籍の要約を多言語化して、海外のビジネスパーソンに展開するというサービスである。
「海外には1000万人ユーザーを抱える要約サービスがあります。まずはflierも100万人を目標にサービスを成長させていきたいです」と大賀CEOは意気込んだ。
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