韓国Samsungの「誤算」 高級TVでソニーやLGに後塵有機ELテレビ撤退が……(2/4 ページ)

» 2018年05月16日 06時00分 公開
[ロイター]

有機ELテレビやQLEDテレビに関する近年のオンラインレビューによれば、韓国LG電子<066570.KS>やソニー<6758.T>が製造する有機ELテレビが、画像品質の高さでファンを魅了している。特に指摘されているのは、よりリアルな色彩と高い解像度、魅力的なデザイン、そしてますますリーズナブルになりつつある価格だ。

とはいえ、サムスンのQLEDテレビにファンがいないわけではない。画像品質は改善されており、価格も安くなっているが、レビューでトップに取り上げられてはいない。

「高級テレビ市場で有機ELテレビのシェアが急増しているのは、傑出した画像品質の直接的な結果だ」。調査会社ディスプレイ・サプライチェーン・コンサルタンツのロス・ヤング最高経営責任者(CEO)はそう語る。「サムスンが2017年の新製品で、画像品質よりも製品デザインを強調したのは、失敗だったかもしれない」

photo 5月2日、有機ELテレビから2015年までに撤退した韓国のサムスン電子の決断は、高くつく誤算となったようだ。写真は2017年、米ラスベガスのコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で展示された同社製QLEDテレビ(2018年 ロイター/Steve Marcus)

調査会社IHSマークイットによれば、高級TV市場の世界売上高(ドル換算)に占めるサムスンのシェアは、2015年の54.7%から、昨年は18.5%にまで低下してしまった。一方、ソニーとLGはそれぞれ36.9%、33%の市場シェアを確保し、サムスンを一気に追い越してしまった。

それでもサムスンは世界最大のテレビメーカーであり、市場でトップの座を12年間維持している。またGfKのデータによれば、高級テレビ市場のシェアでも4割を超え、首位につけている。ただしこのデータは、IHSが「高級テレビ」と定義する価格2500ドル以上という基準に到達しない55インチテレビも含んでいる。

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