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» 2018年05月22日 06時00分 公開

クローズアップ科学:AIで漫画や白黒写真をカラー化 「人をだます力で鮮やかに」 (1/3)

囲碁・将棋などで人間を超えた人工知能(AI)が写真や画像のカラー化でも才能を発揮し始めている。大量のデータを学習して人間と同じ能力を獲得する仕組みは同じだが、「人をだます力」をつけることで従来の欠点を克服し、漫画やアートの世界で新境地を開いている。

[産経新聞]
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 囲碁・将棋などで人間を超えた人工知能(AI)が写真や画像のカラー化でも才能を発揮し始めている。大量のデータを学習して人間と同じ能力を獲得する仕組みは同じだが、「人をだます力」をつけることで従来の欠点を克服し、漫画やアートの世界で新境地を開いている。(原田成樹)

photo 白泉社の電子漫画『結婚×レンアイ。』(萩尾彬著)の1コマ。プリファード・ネットワークスが人工知能で自動着色した(白泉社提供)

人工物は苦手

 パソコンや携帯電話、携帯ゲーム機などの画面が2000年ごろにカラー化され、白黒でもよかった写真をカラー化する需要が高まった。古い写真を自動で着色する研究も始まったが、被写体ごとに色をあらかじめ指定したり、参考となる類似の写真を選んだりする必要があり、完全自動化にはほど遠かった。

 壁を打ち破ったのはディープラーニング(深層学習)と呼ばれるAIの手法だ。脳の神経回路を模した多層構造の情報処理ネットワークのことで、画像認識など多くの分野でブレークスルーを生んでいる。

 早稲田大の飯塚里志研究院講師らは16年、230万枚もの写真データを使った深層学習で、白黒写真に自然な色をつけることに成功した。被写体の“質感”から人間、樹木、空などを識別し、色の境界や全体の情景を判断してカラー化する。

 本人認証などに使われる顔画像の認識と比べても非常に複雑な方法で、「深層学習だから自動化できた」と飯塚氏は話す。

 ただ、菓子やプラスチック製品など、どんな色づけもあり得る人工物は苦手だ。深層学習は過去の経験を基に、正解の可能性が最も高いものを推定するため、こうした場合は平均的なセピア色を選ぶ。本当は色とりどりのチョコレートなのに、セピア色になってしまうわけだ。

photo アートも人間並みに
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