KDDIとNetflixが提携 「動画配信」を5G時代の切り札に7年越しの交渉実る(2/2 ページ)

» 2018年05月29日 18時03分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]
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5G時代でも「小容量」サービスがスケールする?

 5Gは大容量かつ低遅延の超高速通信技術で、大手携帯電話事業者(キャリア)は20年ごろの実用化を見込んで開発を進めている。膨大な端末との同時接続が可能になると考えられており、IoT(モノのインターネット)などへの応用可能性も期待されている。

 だが高橋社長は「各事業者は同じようなことを言っているが、5Gに関してはいまだにピンとくるサービスがない」と指摘。大容量・低遅延・多接続といったメリットばかりが注目される5Gだが、一般消費者向け(B2C)事業では小容量で楽しめる高品質なサービスこそがスケールすると判断し、今回の施策に踏み切ったという。

 「かつて3Gが出てきた時も、5Gと同じく『大容量』『低遅延』などと騒がれていたが、結局ユーザーに支持されたのは『eメール』『着うた』などのシンプルなサービス。4Gもスマホ向けの通信サービスとして広がった。5Gも(先進的な)イメージが先行しているが、わずかな容量でユーザーの心に響くサービスを生み出したい」(高橋社長)

photo 「大容量」「低遅延」といった5Gのイメージに疑問を呈する高橋社長

 今後は、顧客の反応を踏まえつつプランを拡充する方針。Netflixと「auひかり」などの固定回線を組み合わせたプランなども検討中という。

 ただ、独T-MobileもNetflixと提携し、動画閲覧中のデータ通信量をカウントしない“カウントフリー”サービスを提供しているが、日本市場では総務省のガイドライン上で規制されているため導入は難しいという。

 高橋社長は「動画配信以外にもさまざまなサービスを提案し、『これだ!』と思ったものを5G向けコンテンツにしていく」と展望を話している。

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