そんな苦労をしてまで、荒木さんが介護タクシーを続ける理由の1つは、金銭面の事情だ。「金額は言えないが事業のために相当借金した」と正直に明かす。今辞めたら、借金が返済できないのだ。
だが、続ける理由はそれだけではない。「介護タクシーをやっていて一番うれしいのは、お客さんから感謝されること」と言う。先日も、おばあちゃんを病院まで送っていったら、着いた時に「ありがとうございました、お気を付けて帰ってくださいね」と心のこもったお礼を言われた。手を引いてあげただけで、「ありがとうございます」と深々と頭を下げられたことも。サービス分野でも急速に機械化が進む現代社会では得ることが難しくなった感謝やねぎらいの言葉、人と人とのぬくもりが、荒木さんが介護タクシーを続ける大きな原動力となっているのだ。
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