――「対話型AIに話しかけるのは恥ずかしい」という議論もあるが、解消するための工夫があれば教えてほしい。
近藤氏: その課題を解消するため、今回はAI側からユーザーに話しかける仕様を取り入れた。UI(ユーザーインタフェース)も工夫し、テキストで話したいことを入力したり、既に決められた話題をタッチしながらコミュニケーションを取ったりできるようにしている。
――開発で苦労した点は。
関崎氏: 2017年4月に中期計画「beyond宣言」を発表し、「究極のAIエージェントを世に出します」との目標を掲げたばかり。それから1年と少しというスケジュールの中で作り上げるスピード感は非常にタフだった。
ただ、これからの方がもっと大変になると思っている。実は、旧サービス「しゃべってコンシェル」とそのキャラクターに愛着を持っており、「使えなくなり残念」との感想を持つユーザーも一定数存在する。
そうしたユーザーにもご理解いただけるよう、「my daiz」の改良を続けてメリットを訴求していきたい。
――このサービスを今後、どう発展させていくのか。
関崎氏: プッシュ通知などでユーザーに話しかけるタイミングをもっと改善したい。ユーザーがスマホを見るタイミングは一人一人異なる。歩いている最中に見る人もいれば、家の中で見る人もいる。職場の休憩時間中に見る人がいる一方、職場ではスマホを見ないという人もいる。
今後は個々人がスマホを使っている時にピンポイントで話しかけ、もっと心地よくコミュニケーションを取ってもらえるようにしたい。そのためにも、ユーザーの位置情報やスケジュール、使用履歴などのデータを分析・学習し、今まで以上に活用していきたい。
近藤氏: パートナー企業をさらに拡充し、サービスの幅を広げたい。今後は自治体とも連携し、ユーザーの位置情報を基に、観光地ではおすすめの観光スポットをレコメンドしたり、住宅地では粗大ごみの回収日をアナウンスしたりといった機能も取り入れる予定だ。一人一人の生活にもっと寄り添った会話をできるようにし、オリジナリティーを高めたい。
キャラクターの会話やしぐさのバリエーションも、もっと増やす予定だ。ユーザーに「この子としゃべりたい」と思ってもらえるよう工夫を重ねていく。
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