だから、本田圭佑は「稀代のヒール」として叩かれる赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2018年06月21日 12時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

世論は「本田よりも香川」の大合唱

 スポーツの世界においても風向きを180度変えることはやはり容易ではないと痛感した。ネット上で書かれている書き込みが世の中の本筋とは思わないにせよ、ある程度の指標となっていることはやはり否めない。

 そもそも本田はW杯メンバーの代表入りの過程において疑惑が取り沙汰された。NHKのドキュメンタリー番組でバヒド・ハリルホジッチ前監督の戦術を公然と批判。その番組収録後にハリル前監督の解任が発表されたことから「指揮官交代について本田は事前に知っていて、一枚かんでいたのではないか」とささやかれている。その真相はどうあれ、前監督時代にはお呼びがかからず干されていた本田は西野朗監督新体制になると一転して風向きが変わり、晴れてW杯メンバー入りを果たした。

コロンビア戦でヘディングシュートを決めた大迫選手が注目されている

 だが大口を叩いていながら大会直前の強化試合2戦ではトップ下で満足なパフォーマンスを見せられずに悪戦苦闘を強いられ、最後のテストマッチ・パラグアイ戦で活躍したMF香川真司(ドルトムント)にポジションを奪われてしまう。

 世論は「本田よりも香川」の大合唱で、特に“ハリル降ろし”にウラで絡んでいたと決め付けている人たちからは日本代表のガン細胞と言わんばかりのヒールに仕立て上げられ、さらにはネットニュースに題材として扱われるだけで炎上しやすい痛いキャラにまで成り下がっているのが現状のようである。

 やはりこの本田に向けられている猛烈なバッシングとヒール扱いは、あのNHKのドキュメンタリー番組で公然と口にしたハリル批判から端を発しているとみていい。

 もう全盛期を過ぎ、本田のパフォーマンスが低下していることは多くのサッカーファンも痛感している。無論、それは本人も自覚しているはずだ。それでも本田は一切、ネガティブなことは口にしない。昔からの代名詞であるビッグマウスを今も貫き続けているからだ。

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