だから、本田圭佑は「稀代のヒール」として叩かれる赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2018年06月21日 12時00分 公開
[臼北信行ITmedia]
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大会終了後の本田は、どうなっているのか

 パスミスを犯した自分の低いパフォーマンスぶりや、そしてチーム全体の完成度に対する不満をいつもの本田節で赤裸々に明かしたのだろう。個人的には特段、間違ったことを口にしたとは思わない。しかしながらこれらの本田発言には案の定、ネット上で多くのユーザーたちがかみ付きまくって大炎上となった。

 「お前が言うな」「パスミスしたのは自分だろ」「走れない、守れない本田は日本代表にいらない」「もうお願いだから何もしないでくれ」――。

 本田が電光石火のCKで決勝ヘディング弾を生み出し、日本に歴史的勝利をもたらした上、W杯でアジア史上初となる3大会連続アシストの偉業も成し遂げたヒーローだということを批判した人たちは完全にスルーすると決め込んだようだ。

 ただ補足すれば、きっとひと昔前の本田が同じトーンのコメントを口にしていたら「この勝利だけで決勝トーナメントに行けるわけじゃない。よく言ってくれた」「さすが本田だ」などと逆に絶賛されていたと思う。

 日本の歴史的勝利の立役者になっても、風向きが変わらず蚊帳の外に置かれた感のある本田。それでも柳に風とばかりに気にすることなど一切なく持ち前のビッグマウスを崩さずに、黙々と自分を信じて突き進む腹積もりなのだろう。

 ネット上で今や「稀代のヒール」になっている男は自身にとって最後のW杯となるであろうロシア大会終了後、果たしてどういう立ち位置になっているのか。注目したい。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシア)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ、2018年平昌)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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