日本企業は熟練した技術者を必死で確保しようとしている。IT人材のコンピューターフューチャーズによると、年初来でみると就職希望者1人当たりの求人数は2.3件で、就職口の多くを外国人が埋めている。
出井氏はロイターに対して「カニさん(のブートキャンプ)みたいなのは少数の人数でもずいぶん影響を与えると思う。一番、日本がアメリカとか中国と比べて違うのはプラットフォームというビジネスができなかったことだ」と話した。
一方、受験対策に偏重する日本の英語教育が、優良な教育プログラム導入の妨げになっていると業界関係者は口をそろえる。
トヨタ自動車は来月東京で立ち上げる自動運転部門で採用するソフトウエアエンジニア1000人について、共通言語を英語とする取り組みを進めている。
トヨタ・リサーチ・インスティテュート・デベロップメント(TRI─AD)のジェームス・カフナー社長は、日本のコンピューターサイエンス教育は教科書による学習に重きを置き過ぎていると指摘。「われわれの会社にとっても重要なことなので、教育システムを変える方法を突き止めたい」と述べ、ブートキャンプは良い方向への一歩だと評価した。
コードクリサリスの教育プログラムもすべて英語。これまでのところ受講希望者の8割近くが入校を認められなかったが、その一部は英語能力が必要な基準に達していなかったためだ。
コードクリサスの受講料は103万円で、受講者は休職して教育プログラムに参加する。
既に日本の大手企業がコードクリサスに注目しており、NTTデータはソフトエンジニアの教育にコードクリサスを組み込んでいる。NTTデータの営業統括部主任の新徳雅隆氏は「(コードクリサリスの受講前は)アプリを全部自分で作ることはできなかった。コーディングも少しはできたが、使い物にならなかった。今は自信をもって作っている」と話した。
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