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メルセデス・ベンツが「働く人の高齢化」を“チャンス”と捉える意味世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)

» 2018年06月28日 07時30分 公開
[山田敏弘ITmedia]

 日本で高齢化が指摘されるようになって久しい。

 数字を見てみると、日本の高齢化率(65歳以上が総人口に占める割合)は2017年に27.7%で、10年の23.1%からハイペースで上昇していることが分かる。

 ただ、高齢化が進んでいるのは何も日本だけではない。世界全体でも高齢化率は上昇しており、10年に7.6%だったのが、16年には8.48%になっている。特に先進国は高齢化が顕著だ。例えば、米国では6月21日に最新の国勢調査の結果が発表され、高齢化が加速していると指摘されている。

 国全体で高齢化が進むことで、多くの先進国では労働力が足りなくなるとの懸念が出ている。当然日本でも労働人口は減少の一途をたどっているが、その傾向は今後も強くなると見られている。その対策として、日本では近い将来、国家公務員の定年を現行の60歳から65歳に引き上げることになりそうで、公的年金の受給開始年齢も75歳からになる可能性もある。

 欧州も例外ではなく、高齢化は問題視されている。16年の欧州の労働人口を見ると、労働人口全体のうち、55〜64歳が占める割合は55.3%と非常に高い。実はいま、そんな欧州の状況に対して、何とかしようと動き出している企業もあるという。その中でも、欧州のある自動車ブランドが興味深い高齢化への取り組みを始めていると話題になっている。もしかしたら、日本企業にとっても、そこから何かヒントが得られるかもしれない。

 その自動車ブランドとは、高級車の代名詞ともいえる、独自動車大手ダイムラーの「メルセデス・ベンツ」だ。

photo 「メルセデス・ベンツ」が社内の高齢化を背景に始めた取り組みとは……?
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