本当にこのままでいいのか 日本版「フーリガン」の正体赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)

» 2018年06月29日 12時38分 公開
[臼北信行ITmedia]

サポーターたちの暴走行為にウンザリ

 日本人ならば、西野ジャパンの快挙達成に大喜びする気持ちはよく分かる。かくいう筆者もメディアに携わる立場を忘れ、8年ぶりの決勝トーナメント進出には心の中で何度も万歳を繰り返した。だが、どうしても言っておきたいことがある。東京・渋谷の「スクランブル交差点」や大阪・道頓堀の「戎橋」で日本代表がW杯の試合で勝つたびに大騒ぎを引き起こす“サポーター”たちの暴走行為にはもういい加減、ウンザリだ。

 いや、この際だからハッキリと言わせてもらう。ここで大騒ぎする人たちは真のサポーターではなく、もう「フーリガン」と断じていい。スクランブル交差点では以前からDJポリスと呼ばれる警察官が日本代表のW杯での試合後、暴走行為を自重するようにスピーカーで呼びかけながら交通整理にあたることが通例となっている。戎橋でも橋上で飛び跳ねる行為や、道頓堀川への危険なダイブを防ごうと昨晩の試合後も警察が目を光らせ、厳戒態勢を強いていた。

サッカー日本代表が勝利するたびに、渋谷のスクランブル交差点に多くの人が集まる

 にもかかわらず昨晩の決勝トーナメント進出決定後のスクランブル交差点には太鼓を鳴らしながら我が物顔で赤信号の中を歩いたり、「ニッポンコール」を連呼しながらクルマの走行を邪魔したりする若者たちが大勢集まり、その場が“カオス”と化した。

 戎橋付近でも警察の監視の目を盗み、前回のセネガル戦後と同じように大学生ら数人が道頓堀川へダイブを敢行。道頓堀川では2015年に年越しダイブを強行した韓国人観光客が亡くなったこともあるだけに、なぜこのような危険な行為を繰り返すのか理解に苦しむ。また、橋の上で大勢の人が一斉に飛び跳ねを行うと崩落の危険があることから、行政側は禁止行為として呼びかけていたにもかかわらず、約500人が地響きのようなジャンプを繰り返して橋は大きく揺れ動いた。

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