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1度はマネジメントサイドを目指すべき、唯一の理由銀河英雄伝説からビジネスリーダーは何を学ぶべきか?(2/3 ページ)

» 2018年07月04日 06時30分 公開
[阿部圭司ITmedia]

引け目ではない理由でマネジメントを避ける人

 偉そうに語っていますが、何を隠そう、私もマネジメントを避けていた側でした。しかし、引け目からではなく、以下の理由です。

  • 自分でやった方が成果が出る
  • 自分でやった方が早い
  • 自分でやった方が安心、安全

 共通点は「自分でやった方が〜」です。ある程度経験も実績もある人間が陥るワナがこれです。

 私は1人で起業した口でして、創業時期は営業から経理、実務までを1人でこなし、社員を入れてからもすべてのアカウント(広告主)の戦略立案を行い、戦術の指南も行っていました。その枠から外れたことをすれば注意する。想定外の対応をすれば元に戻すなど、今考えれば目をつむりたくなるようなことを日常的に行っていました。

 自分でやった方が成果が出る、早い、安心、安全。そんなの当然です。なんせ、それが得意で独立したんですから。ただただ創業期に信頼を落とすようなことは絶対に行いたくない一心で、すべてのことを良かれと思って自分でやっていました。

 合法的に過労死できる身としては睡眠時間なんていくらでも捧げられるし、どこまででもできる、と勘違いしてました。ところが、ふと気付いたんです。「これって全てにおいて限界があるのでは?」と。そして、私1人頑張ったって、世の中は変えられないと。世の中を良い方向に変えるためには社員の皆の力が最大限発揮できるようにしなければいけないと。それから私の思考回路は一気に変化していきます。

 この「自分でやった方が〜」という思考を回避させるには、自身が世の中に与えられるインパクトの総量で見ると景色が一気に開けるかもしれません。1人で抱えているうちは1人で抱えられる数しか世の中に価値を生むことはできません。たったそれだけなんです。当然です。ところが、マネジメントサイドに立った瞬間にその数は無限大になるはずです。

マネジメントサイドへ行けば行くほど、世の中への影響力が増す マネジメントサイドへ行けば行くほど、世の中への影響力が増す

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