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» 2018年07月04日 06時00分 公開

利用者保護を強化:仮想通貨規制の移行を検討 改正資金決済法から金商法へ

 金融庁が仮想通貨交換業者を規制する法律を現在の改正資金決済法から金融商品取引法に移行する検討に入ったことが分かった。

[産経新聞]
産経新聞

 金融庁が仮想通貨交換業者を規制する法律を現在の改正資金決済法から金融商品取引法に移行する検討に入ったことが2日、分かった。改正資金決済法は交換業者を登録制にすることなどを定めているが、交換業者の経営が悪化した場合に顧客の資産を保護する仕組みなどが不十分。規制を証券会社などに適用される金商法に基づいた内容にすることで、利用者保護の強化につなげる。

 仮想通貨は改正資金決済法により電子マネーなどと同じ決済手段として位置づけられているが、金商法による規制対象となれば、金融商品として扱われる。

 金商法は証券会社などに対し、顧客の資金や有価証券(株式など)を会社資産と分けて管理することを義務づけている。また、株式のインサイダー取引も禁じるなど厳格な投資家保護の仕組みを整備している。

 金融庁は、仮想通貨交換業の規制のあり方や現行法制度の問題点などを議論する金融庁主催の「仮想通貨交換業などに関する研究会」で詳細を詰めている。

 同庁が金商法への移行を検討するのは、1月に交換業者コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出し、顧客資産保護のあり方が問題となったのがきっかけだ。金商法への移行は、金融庁内で「仮想通貨にお墨付きを与えたと誤解を招く」との慎重論も根強いが、別の交換業者による顧客資産の私的流用などの問題も発覚し、対応強化の必要性が高まっている。

 4月に設立された業界団体「日本仮想通貨交換業協会」もマネーロンダリング(資金洗浄)の恐れがある匿名性の高い仮想通貨の取り扱い禁止や、顧客資産の保護を柱とする自主規制案を策定中。市場価格と売買価格が乖離(かいり)する不透明な取引についても透明性を高める考えだ。ただ、自主規制のため、どこまで実効性を確保できるか不安も指摘される。

 一方、仮想通貨が金商法の適用対象になれば、金融機関で仮想通貨の派生商品を取り扱うことも可能となる。上場投資信託(ETF)などさまざまな金融商品が誕生することも予想され、仮想通貨の取引量が増えるなど業界にとってのメリットも大きい。

金融商品取引法 カネボウやライブドアなどの粉飾決算が相次いだことを教訓に証券取引法などを改正し、平成18年6月に成立した。専門知識が少ない一般投資家を手厚く保護することを狙いとし、株式、債券、デリバティブ(金融派生商品)取引など幅広い金融商品を対象に販売や勧誘のルールを定めている。

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