「クラフトボス」販売目標を3割引き上げ 水・お茶の代わりにゴクゴクと約5億本を目指す

» 2018年07月24日 13時30分 公開
[加納由希絵ITmedia]

 サントリー食品インターナショナルが2017年4月に発売したペットボトルコーヒー「クラフトボス」がこの夏も好調だ。このほど、18年の年間販売目標を年初の数値から33%引き上げ、2000万ケース(4億8000万本)に上方修正した。コカ・コーラ「ジョージア ジャパン クラフトマン」など競合商品が増えたものの、市場の急速な成長をけん引している。従来のコーヒー商品とは異なる飲み方ができることで、ユーザー層を広げているようだ。

photo 2018年の販売目標を2000万ケースに上方修正した

6月末に年初目標の8割を達成

 クラフトボスは発売から1年で1500万ケース(3億6000万本)を販売。「一般的に2年目は厳しい。競合商品の販売ペースも見通せなかった」(広報担当者)と、不透明な要素はあったものの、18年も前年と同じペースとなる1500万ケースの目標を掲げていた。

 ところが、折り返しとなる6月末時点で1200万ケースを突破。目標の8割をすでに達成したことから、年間目標を大幅に引き上げた。

 清涼飲料の商品が売り場に定着する目安は年間400万〜500万ケースだという。「『ボス』のサブブランドだけで2000万ケースというのは相当大きい」(同)。18年に1億ケース突破を目指しているボスブランドの中でも、存在感が大きくなっている。

photo 「クラフトボス」の商品ラインアップ

水や麦茶からの流入も多い

 好調の理由は、缶コーヒーをあまり飲まない若年層や女性に受け入れられたこと。発売当初、「IT系のビジネスパーソンが仕事をしながら飲む」という飲用シーンを想定していた。実際にその需要は大きいが、それ以外の飲み方も多いという。

 「大学生がキャンパスで持ち歩いてSNSに写真を投稿したり、主婦の方などが家の中で飲んだりと、職場以外で飲んでもらえるケースも多いようです」(同)

 また、秋冬によく売れる缶コーヒーとは異なり、夏季の需要が大きい。ゴクゴクと飲めるすっきりとした味わいであることから、「水や麦茶といった、より大きな市場からの流入が見られる」(同)という。

 クラフトボスの好調を受けて、飲料メーカー各社が500ミリリットル入りペットボトルコーヒーの新商品を相次いで投入し、コンビニなどの商品棚に定着している。商品の種類は増えたが、「優位性を保てている」(同)販売状況だという。

 クラフトボスは17年の発売時、想定以上に売れたことから、一部の商品が販売休止に追い込まれた。この夏はそれ以上の販売を見込んでいる。担当者は「反省を踏まえて、生産体制を強化している。ご迷惑をおかけしないように対応したい」と話している。

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